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薬局の可能性が広がる「第3回 みんなで選ぶ 薬局アワード」2019年イベントレポート
2019年5月19日 (日)、一般社団法人 薬局支援協会による「みんなで選ぶ薬局アワード」が開催されました。
前回は結果速報の記事を公開させていただきましたが、今回は当日どんな様子だったのか、
「みんなで選ぶ薬局アワード」のイベント当日レポートを詳しくまとめましたので ご紹介します!
薬局アワードは『薬局ってどこも一緒じゃないの?』や『もっと信頼できる薬局を見つけたい』そんな患者さんの疑問にお答えするイベントです。目的は一般の方に薬局の素晴らしい取り組みを知ってもらうこと。
2018年12月よりエントリーを開始。全国各地のエントリー薬局から、1次・2次審査を経て、代表薬局6組が決定されました。この日は、代表薬局6組が一同に集結し、それぞれの薬局の取り組みを発表します。
開場
会場は、東京の中目黒GTプラザホール。実は、第1回みんなで選ぶ薬局アワードの会場と同じ場所でした。
受付では、薬局アワード実行委員会の方々がお出迎え。
続々と来場者の方々がやってきます。
受付では、当日パンフレットとともに、
ネスレ日本さま提供の経口補水液アクアソリタⓇ
話題の薬剤師漫画「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」の試し読み冊子
などが手渡されます。
会場は満席になりました。いよいよ薬局アワードが始まります。
開演
司会は、今年も薬剤師の永瀬彩夏さん。
ただ今より「第3回 みんなで選ぶ薬局アワード」を開催いたします。
まずは前方スクリーンをご覧ください。
オープニングは、薬局アワードの思いをマンガ動画にした、薬局アワード構想から実現までのストーリーが歌とともに流れます。
薬局アワード運営スタッフの熱い思いが伝わり、始まる前から感動で泣きそうです。
続いて、薬局支援協会 代表理事 竹中孝行さんの挨拶
壇上に薬局支援協会 代表理事の竹中さんが現れます。
薬局アワード開始当初から、第3回目が大きな節目と考えていたという竹中さん。こうして第3回目を迎えられたことへの感謝と喜びを語ります。
その中で今回はご覧のとおり、150名の席が満席ということ。そして、その定員以上に多くの皆さまのご応募をいただき、ご来場をお断りした方も多くいらっしゃいました。
そのような方には大変申し訳ない気持ちはあるんですけれども、いろいろな方々から注目されるようなイベントになったこと、非常に嬉しく思っております。
来場者 挙手アンケート
張り詰めた会場の空気を和らげるために、竹中さんが会場の皆さんに色々質問していきます。
答えてくれた方には、マザーレンカさま提供のドクターズチョコレートミルクがプレゼントされます!
挙手アンケートの結果、来場者のうち、
- 半数以上が東京以外から来ている
- 薬剤師は全体の3~4割(年々、一般の方々が増えてきている)
- 一般の方のうち、行きつけの薬局があるという人は3名のみ…(どうなる薬局業界!?)
という回答でした。
特別審査員の紹介
続いて特別審査員の紹介に移ります。
今回はこれまでより、さらに多彩なゲストが特別審査員として参加してくださったようです。
NPO法人「がんノート」代表理事の岸田徹 氏
漫画「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」医療原案・薬剤師の富野浩充 氏
写真左から
- 患医ねっと 代表 鈴木 信行 氏
- 東京薬科大学 情報教育研究センター 教授
特定非営利法人 医療福祉クラウド協会 理事 土橋 朗 氏 - 漫画「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」医療原案 富野 浩充 氏
- NPO法人がんノート 代表理事 岸田 徹 氏
- 京都市立芸術大学 美術学部
大学院美術研究科 ビジュアルデザイン研究室 教授 辰巳 明久 氏 - 一般社団法人日本薬学生連盟 2018年度代表 吉本 愛梨 氏
- 株式会社マザーレンカ 代表取締役 池田 貴子 氏
- ファーマシストライフ 代表
今回の特別審査員は以上の8名です。
各代表薬局の持ち時間は10分。いよいよプレゼンのスタートです!
プレゼン前半
オール薬局
テーマは『地域の人々の健康的な生活を支えるため、専門スタッフによる、健康情報発信基地』プレゼンターは佐々木拓也さんです。
高齢化が進んでいる広島県呉市は行政においても全国初の取り組みを多く行う地域。
そのような環境で生まれた、食事・運動・健康チェックが体験できる新しいヘルスケアの拠点「オールファーマシータウン」。処方せんを持参せずとも気軽に利用してもらい、医療・介護・食事など、すべてがワンストップで解決出来る薬局づくりを進めるという取り組み。
ラボでは、蓄積したデータで将来的に検診や予約も一元管理できるようなシステムの構築を図っているそうです。こうした薬局が身近にあったら患者として利用したいですね!
オール薬局『地域の人々の健康的な生活を支えるため、専門スタッフによる、健康情報発信基地』発表者 佐々木拓也さん
穴水あおば薬局
テーマは『「トジスト」開発に至るまで –ホッチキスの針ゼロプロジェクト−』プレゼンターは岡田政彦さんです。
これを薬局の皆さんに使っていただければ、穴水の一薬局で減った針のリスクは、日本全国で協力して減らせるんじゃないかと思っています。
さらに、私たち薬剤師の時間を節約できるので、その時間を患者さんに向けられるようになります。
ホッチキスの針を使わない、しかし薬包紙に穴を開けず、熱も加えない「針なしステープラー」の大型化・高圧力化・電動化した機械「トジスト」の開発という取り組みでした。
薬局から発明品が生まれるなんて本当にすごいことだと思いました。是非全国に広めて下さい!
穴水あおば薬局 『「トジスト」開発に至るまで –ホチキスの針ゼロプロジェクト−』 発表者 岡田政彦さん
エール薬局 鴨居店
テーマは『薬局版こどもミュージアムプロジェクトがつくる優しい地域』プレゼンターは松岡亮太郎さんです。
「患者良し」は、この企画を通して、患者さまの健康意識が向上したところを「患者良し」とさせていただきました。
「薬局良し」は、この薬袋の印刷、これをやってくれるから、こちらの薬局に来ましたよといった声を、たくさんいただきました。地域に選ばれ、また皆さんに役に立ち喜んでいただける薬局になる、これが「薬局良し」です。
「社会良し」は、飲み忘れを減らすことで、患者さんの症状の悪化が防げる。それが医療費の削減につながる、これを「社会良し」とさせていただいております。
医療費高騰が大きな社会課題となっている中、薬の飲み忘れによる症状悪化に注目し、子どもたちが描いた「お薬しっかり飲んでね」をテーマにした絵を薬袋に印刷することで、薬の飲み忘れを防いでいくという取り組み。
他の薬局でも取り組みやすく、地域の患者さまにも喜んでもらえる。優しくて素敵な取り組みでした!
エール薬局鴨居店 『薬局版こどもミュージアムプロジェクトがつくる優しい地域』 発表者 松岡亮太郎さん
プレゼン後半
休憩をはさんで後半のプレゼンに移ります。
まごころ薬局
テーマは『地域を繋ぐ、笑顔のコミュニティスペースで健康づくり』プレゼンターは福田惇さんです。
やりたいことが見つかるというコトを、薬局でつくりたいなと思いまして、まず最初に行きたくなる薬局をつくるオープン会議なるものを開き、どんな場所にしたら面白いか、内装はどうするか、つくる前から地域の方々と話し合っていきました。
日々の服薬指導を通して、患者さんの生活の背景だったりとか、何が好きとか、何が得意とか、そういうのもいっぱい聞き出してきてストックをつくって…
多世代で交流できる新しい居場所として機能したり、好きなことが見つかる場所、いろんな専門職のイベントを開催して、地域の皆さんに新しい発見をしてもらいたいですね。
薬局に併設しているコミュニティスペースで月に1回、地域の人と膝を突き合わせて議論する「オープン会議」を開催。イベントの企画は毎回、参加者が自発的に行い、近隣の人々を巻き込んでいく地域住民参加型の取り組み。
福田さんの人柄が表れているような楽しいプレゼンでした。何よりイベントに参加されたご高齢の方々の元気で楽しそうな様子に感動しました!
薬局・なくすりーな
薬局アワード開始以来、毎年素晴らしいアイデアとプレゼンを披露してくれる薬局・なくすりーな。昨年はいろいろな相談ができる場所として、VoicyやLINE@を利用した薬局の取り組みを紹介していただきました。
今年のテーマは『特許申請中 携帯型医療用医薬品救急箱「ラクスリード」』。プレゼンターは、もちろん吉田聡さんです。
全国の薬局で同じようにやっていただく、連携してやるというのが、一番いい方法だなと思っています。これも薬局であれば、すぐにできることなんです。
何より薬局という立場で、医師の労働時間の問題だったり、国民の医療費の問題、こういった社会的な貢献ができるということが、このラクスリードの一番の強みじゃないかなと思っています。
クライアントへの聞き取りをした後、薬剤師がその人に必要と思う5種の医療用医薬品を選んで薬箱を設置。調子が悪いときには、どの薬を飲むか、または病院に行くかなど薬剤師に相談できるという取り組み。
病院に行かずに購入できる、自分に合った医療用医薬品の救急箱。自宅にあれば、とても助かりそうですよね。ぜひ全国の薬局に広まってもらいたいです!
まんまる薬局
いよいよ最後の薬局プレゼンです。
テーマは『スーパーマンはいらない みんなで支える在宅医療』プレゼンターは松岡光洋さんです。
もしそれで女性の薬剤師が在宅訪問で泣いて帰ってくるほど嫌な思いをしたときに、その薬剤師にサポートがなく、そのまま「私はもう在宅訪問はしたくない」そういうふうになったら、在宅をしたくないという印象が、どんどん増えていきます。
ボランチはただ同行するだけのアシスタントではありません。ボランチがいることで、薬剤師は在宅訪問という業務において精神的に安心でき、本来の仕事に集中できる。在宅で輝けるんだという薬局をつくっていきたい、そういうふうに思っています。
ボランチ制度とは、薬剤師を支える非薬剤師が、薬剤師と一緒に患者さん宅に訪問する。サッカーで言うところのボランチ(守備的な役割を担うMF)の役割を果たすことで、どんな薬剤師でも在宅医療の現場で活躍できるようにするという、まんまる薬局が独自に考案した制度のこと。思いのある全ての薬剤師が在宅医療の現場で活躍できるという取り組み。
在宅を支えてくれるボランチがいれば、女性薬剤師も安心できそうです!この制度が広がり、薬剤師もボランチも、在宅医療の現場で活躍していただきたいですね。
これにて、全6組の発表が終了しました。どの薬局も、本当に素晴らしい取り組みでした!
投票タイム
特別審査員の方々は審査のため、ここで一旦退席。
会場ではスマホを用いたWeb投票が行われます。6組の薬局の発表の中から、自分が行きたい!感動した!と思った薬局を2つ選びます。さあ結果はいかに!?
みんなDE薬局トーク
投票が締め切られ、投票結果の集計が終わるまでは、薬局アワードスタッフが一般の方と意見を交わしながら、薬局のことを知ってもらう「みんなDE薬局トーク」の時間です。
司会 兼 薬剤師代表は竹中さん。一般人代表として、竹中さんのご友人の志田さんこと、シダックスが加わります。さらに今年は薬学生代表として名倉くんことナグーが加わります。
一般の方から薬局・薬剤師・薬学生に知ってもらいたいこと、薬剤師が一般の方に知ってもらいたいこと、それぞれの立場から、事前に回収したアンケートをもとに意見交換していきます。
まずは「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」の場面をいくつか抜粋。薬局における薬の棚卸やオリジナルお薬カレンダーについて紹介します。
薬局の棚卸について「棚卸しは、どの業界も大変なんだよ!」と強気の一般代表シダックスでしたが、1薬局で大体1,200~1,300品目、1錠単位で数えなきゃならないと知り、戦慄…
話題は尽きませんが、司会 永瀬さんのもとに集計結果が届き、結果発表と表彰に移ります。
結果発表・表彰
いよいよ、結果発表&表彰です。
賞は、オーディエンス賞、特別審査員賞、最優秀賞の3つ。
オーディエンス賞
一般の方から最も注目を浴びた薬局に贈られるオーディエンス賞の発表です。
『特許申請中 携帯型医療用医薬品救急箱「ラクスリード」』
薬局・なくすりーなです!
オーディエンス賞の受賞について、特別審査員・岸田さんがコメントします。
本当におめでとうございます!
岸田さんよりパネルが手渡されました。吉田さん、おめでとうございます!
吉田さんの受賞コメントは…
ただ、一つの薬局だけでやってもすごく時間がかかるし、それに自分の薬局だけで行うのは、やはり難しさというのも感じているので、本当にいろんな薬局さんと協力してやっていきたいと思っています。もしそういう薬局さんがいたら、お願いしたいなと思っています。今日はありがとうございました。
特別審査員賞
特別審査員の方々から最も注目を浴びた薬局に授与されます、特別審査員賞の発表です。
『薬局版こどもミュージアムプロジェクトがつくる優しい地域』
エール薬局 鴨居店です!
特別審査員賞の受賞について、特別審査員・池田さんがコメントします。
池田さんよりパネルが手渡されました。松岡さん、おめでとうございます!!
受賞の喜びをコメントしてくれる松岡さん。
先ほど休憩時間も、千葉県の薬局の方で「うちでもぜひやりたいんで、どういうふうに具体的にされているんですか」と、お話ししてくださったりしたので、みなさんもご興味がありましたら、ぜひ声を掛けていただけたらと思っております。本日はありがとうございました!
最優秀賞
最後に最優秀賞の発表です。最優秀賞は、来場者、特別審査員の投票から、最も注目を浴びた薬局に贈られます。
『地域を繋ぐ、笑顔のコミュニティスペースで健康づくり』
まごころ薬局です!!
最優秀賞の受賞について、薬局支援協会 代表理事の竹中さんがコメントします。
というのも、福田さんにはもともとスタッフとして手伝っていただいていたこともあるんですけれども、この3回目はスタッフの手伝いを一切やらずに (笑)、ご自身の薬局でエントリーしたいということを言われて、すごく頑張られている姿を見てきました。
あれだけ楽しそうな笑顔で、あれだけ面白いプレゼンをしてしまうと、すごく楽しそうなことをやっていると伝わってくる。やっぱり取り組んでいる人が楽しかったら、実際の中身も、来られている方も楽しいと。本当に地域の方々が、心底健康になっていく、そういった場面をすごく感じました。
まだまだこれからの取り組みであるとは思うんですけれども、これからコミュニティーデザイン、新しい地域コミュニティーをつくるというものは、薬局の中で一つの課題だと思うんです。そういった中で、まごころ薬局さんの取り組みを、ぜひいろんなところでやりたいとなったときに、今度はまごころ薬局さんがアドバイスするほうになっていけると、ものすごく業界全体が面白くなるのかなと思いました。あらためまして、おめでとうございます!
代表 竹中さんよりパネルが手渡されました。福田さん、おめでとうございます!!!
受賞の喜びをコメントをする福田さん。
それ以外にも、僕が暴走しがちなところを、本当にいろいろな人に支えてもらいながら、何とか成立しているというところではあるんですけれども。僕のその暴走も誰かのためになりたいという暴走なんで、そういう思いで行動すると、これはなんかちょっと精神論みたいになっちゃいますけど、味方になってくれる人も増えるのかなというふうに思っております。
皆さん、本当に素晴らしい薬局の取り組みをご紹介いただき、ありがとうございました!!!!
閉演
表彰が終わり、薬局支援協会 理事の坪田 留央依さんより閉会の挨拶。
本日のようにすごく素敵な取り組みをされている薬局のご発表を通して、1人でも多くの方が、「薬局って薬をもらうだけじゃないんだ」とか、「もしかして、自分がいつも行っているあの薬局って、なんか工夫しているのかな」とか、薬局に関して少しでも関心を寄せていただきまして、最終的には国が求めているところでございます、『健康をサポートしてくれるかかりつけ薬局を探す』というところの一助となれば、われわれとしてもとてもうれしい限りでございます。
今回の第3回目も、皆さまのご支援のおかげで開催させていただけた次第ですけれども、われわれは第3回までをまずちゃんとやろうということで、節目として頑張らせていただきました。第4回目以降は、これまでの企画や運営方法を見つめ直し、よりパワーアップをして、業界のために引き続き尽力して参りたいと思います。
皆さまの多大なご厚意、ご支援をよろしくお願いをいたします。本日はありがとうございました。
さあ、最後は全員で記念撮影です!
まごころ薬局の福田さんと、今回の福田さんの取り組みのきっかけとなった、みんなで選ぶ 薬局アワード第1回の代表薬局 厚川薬局の厚川さんも記念にツーショット!
これにて、2019年度 「第3回 みんなで選ぶ 薬局アワード」は終了しました。
薬局アワードを終えて…
今回は公式メディアである私たちファーマシストライフの他に、医療業界のメディアも多数来場していました。
メディア各社の取材を受ける薬局の方々…
様々な方から注目され、第1回から見守ってきた私たちファーマシストライフ編集部にとっても節目として感慨深い一日となりました。
次回、2020年度「みんなで選ぶ 薬局アワード」のエントリー開始は秋頃の予定です。
薬局で働く皆さんの挑戦を、薬局アワードスタッフ一同、お待ちしています!
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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