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2018年の結果発表!「第2回 みんなで選ぶ 薬局アワード」
5月20日、東京・銀座のリクルートGINZA8ビル 11Fホールにて開催された「第2回 みんなで選ぶ薬局アワード」。
一般社団法人 薬局支援協会主催の、全国の薬局から創意工夫している取り組み・思いを募集し、表彰するイベントで、2回目となる今年も、全国各地の薬局がエントリーした。
今年も会場には、総勢約200名もの方が来場し、薬剤師の他、半数以上もの一般の方が詰めかけ、満員御礼となった。
イベントの目的は、「薬局ってどこも一緒じゃないの?」「信頼のおける薬局を探したい」そんな患者さんの疑問や要望に応えるべく、一般の方々に薬局の取り組みを知ってもらうこと。
薬局アワードの代表薬局は、背景・思い、患者視点、独創性、社会性、再現性、将来性という6つの評価項目に基づき、1次審査、2次審査を経て6組の薬局が代表に選ばれる。
そしてイベント当日、それぞれの取り組みについて代表薬局の発表を聞いた上で、薬局アワード来場者と審査員の投票により受賞薬局を決定する。
今年も創意工夫している薬局が多く、イベントは大きな盛り上がりを見せた。
目次
2018年の受賞結果
そんな中、見事 2018年「第2回 みんなで選ぶ薬局アワード」の最優秀賞に輝いたのは、
『保険薬局でのグラム染色を活用した抗菌薬適正使用』を発表した【このみ薬局 大曽根店】。
特別審査員賞は『薬局ファーストで健康サポート「かかる前薬局」のチカラで地域を健康に!』を発表した【旭川中央薬局】に、
オーディエンス賞は『信頼して相談できる薬局の“見える化”を目指して』を発表した【薬局・なくすりーな】に贈られた。
以下、最優秀賞、特別審査員賞、オーディエンス賞を受賞した薬局、その他の代表薬局を登壇順に紹介していく。
最優秀賞『保険薬局でのグラム染色を活用した抗菌薬適正使用』このみ薬局 大曽根店
– 未来の子どもたちのために抗菌薬を大事に使おう –
世界でも薬剤耐性による死亡者数が将来的に増えていくことが問題となっているなか、抗生物質を適正に使用していくことにより耐性菌を生みにくくして、未来の子供たちに抗生物質が効かなくなるという深刻な状況を防いでいこうという取り組み。
老人ホームを担当し、医師の訪問診療に同行しているという瀧藤氏。感染症が疑われた場合には、医師の同意のもと検体からグラム染色により原因微生物を推定し、原因微生物に対してよく効く抗生物質を選び、医師へ抗生物質に関する提案を行っているという。
これにより施設での不要な抗生物質の使用を大きく減らすことができたそうだ。
発表では事例として、尿路感染が疑われる患者の尿から大腸菌検出、肺炎が疑われる患者の啖からモラキセラ検出など、薬局でのグラム染色による原因微生物 特定の事例を紹介してくれた。
この取り組みで、抗菌薬をより安全に使用するために保険薬局・薬剤師が大いに力を発揮できるというモデルを示してくれた。
特別審査員賞『薬局ファーストで健康サポート 「かかる前薬局」のチカラで地域を健康に!』旭川中央薬局
– 「病気・病院にかかる前」「医療費がかかる前」「ひとに迷惑がかかる前」 –
「保険でメシを食えなくなる」薬局を目指し、検体測定室での血液自己チェックや口腔ケアなどの一次予防を通して、糖尿病などの生活習慣病の健康サポートを行う取り組みを進めている。
食事で糖質を多く摂取しがちな日本人は糖尿病になりやすいが、糖尿病を医療で治すのは難しい。それよりも糖尿病になる前に何とかすることが大切と考える長塚氏。
そんな長塚氏が所属する旭川中央薬局では、予防活動の一環として、血液自己チェックコーナー(検体測定室)を用意。そこでの相談を通して患者さんとの接点を増やしてゆき、さまざまな生活習慣病に対する一次予防のアプローチを試みている。
口腔ケアサポートの一つとして実施している口腔環境チェックも紹介。万病のもとにもなる口内環境の悪化、その原因である口内の乾燥は服用中の薬による場合もあることから、検体測定室で口腔ケアサポートも行う。会場では口腔のトレーニング「あいうべ体操」も実演してくれた。
今後も、一次予防に着目し、薬を売らなくても人々が健康になることを目指して活動していく。
オーディエンス賞『信頼して相談できる薬局の“見える化”を目指して』薬局・なくすりーな
– 薬局の真のセルフメディケーション支援「心のケア」「食のケア」「情報発信」 –
医療機関での実績がある耳つぼセラピストによる薬局セラピーや、患者さん自ら栄養に関する正しい知識を得られるようにするため管理栄養士の和田宏美さんが作成するイラスト入りの栄養情報 ”わだちゃんのえいようだより”を配布するなど、セルフメディケーション支援の実例を紹介。
中でも注目された取り組みは、患者さんが正しい医療情報を得られるようにと考え始めた、音声配信アプリ「Voicy」による医療健康情報の配信と、「LINE@」による医療相談受付だ。
「Voicy」では『医療・健康ナビ なくすりーな』というチャンネルを配信。医療や健康関連の話題について薬剤師目線で語ることで、子育て世代の母親からの相談が増えたという。
また、「LINE@」による医療相談受付では、実際に吉田氏が相談にのり受診をすすめたことで安心して主治医と話ができたという事例も紹介。電話をかけることに抵抗のある方や、電話では打ち明けられないような心の相談をする方々に受け入れられており、特に若い世代から相談が寄せられるようになったという。
患者さんに何かあったときに、病院に行くよりも前に安心して相談してもらえるような、信頼される薬局作りを目指す。
『薬局をハブにしてつながるネットワーク 進化版』キムラ薬局
– つながって、ひろがって、薬局へ –
昨年の第1回薬局アワードでは、”薬局をハブにしてつながるネットワーク”として、がん医療ネットワークナビゲーター、認知症ケア専門士などスタッフの資格取得サポートや、管理栄養士の栄養相談、ケアカフェ・ゆのまち、健康フェアなどの開催、そしてサロン「ガーベラ」の設置など、多岐に渡る薬局の取り組みを紹介し、オーディエンス賞を受賞したキムラ薬局。
がん医療ネットワークナビゲーター、認知症ケア専門士の他に、シナプソロジー、コンチネンスケア、ケアマネージャー、相談員、笑いヨガなど、スキルや得意分野を生かして、スタッフそれぞれが各々のハブをもって外に出ることで、以前よりさらにネットワークを広げることができたと中島氏はいう。
「薬局外への活動が弱い」、「色々取り組みすぎではないか」、「薬剤師の存在感は?」など、昨年の課題となったことに対して、そこから1年間、どう取り組んできたかということを紹介する発表となった。
『離島・へき地へお薬と夢と希望を届けよう!~ドローン薬局プロジェクト~』金山すみれ薬局
– ドローン薬局のパイオニアとして全国に広める –
災害時の救援物資として薬を運んだり、離島・山間部などで薬局に来られない方へ薬を運んだりする、ドローン薬局。ドローンによる配送は2020年代には都市部でも本格化していくだろうと考えられている。
ドローン薬局プロジェクトについては、学会や新聞・テレビなどのメディアでも多数紹介されており、賛同者も多いという。
このプロジェクトにより、薬局での待ち時間短縮や薬剤師のお薬配達にかかる時間も短縮できるのではないかと考えられる。服薬指導についてはアプリなどを用いたテレビ電話で対応することを検討している。
今年4月の法改正で、目視外飛行についてが緩和され、山間部での飛行は可能となったが、第三者の上空での飛行と遠隔服薬指導についてが緩和されていないなど、ドローンによる薬の配送には課題がまだある。
しかし、梅田氏によれば、これらの課題も今後の規制緩和により実現可能になるのではないかということだ。
今後も実証実験を重ね、規制緩和されたときには”ドローン薬局のパイオニア”として、全国の薬局に広めてゆく。
『薬局は劇場、薬剤師はエンターテイナー あなたに合った病院選びのお手伝い』つるさん薬局
– 白衣を着た薬剤師としてではなく、患者さんの良き相談相手となる –
薬局は患者さんのためになにができるか。
薬剤師は、白衣を着た薬剤師ではなく、白衣を脱いだ薬剤師となったときに、患者さんのためになにができるか。自分の家族のように患者さんの病気の原因を考え始めることで、薬ではなく患者さん自身を見るようになる。そうすることで場合によっては薬剤師から患者さんに検査をすすめてみたり、症状に対する診断を下してもらえる病院を提案できるようになるのではないかと話す。
薬局は病院や診療所の情報をもっている。鶴原氏は、そこからさらに、自らが病院に足を運び、実際に医師と話し、その病院はどんな病院で、医師はどんなことを考えて診療しているのか、詳しく聞くようにしている。
医師と薬剤師、お互いがリスペクトできる関係を築き、そうした病院や診療所について患者さんに情報提供しているという。
劇場で演じるエンターティナーのように清々しく、これからも患者さんからのありがとうの言葉を目指し、薬局で患者さんを全力でサポートしていきたいとのことだ。
以上、「第2回 みんなで選ぶ 薬局アワード」の受賞結果速報をお伝えしました。
薬局アワード当日の様子をまとめたイベントレポートは5月末公開です。お楽しみに!
全国から、創意工夫している薬局の取り組みを募集し、独自の審査基準に基づいた厳正な審査を行い、最終的に代表薬局を選出。一般の方を対象とした「みんなで選ぶ 薬局アワード(決勝大会)」にて発表します。審査員と会場にお越しの一般の方の投票により、最優秀賞の薬局を決定するイベントです。 ※主催:一般社団法人 薬局支援協会
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