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個人経営の薬局と大手調剤薬局
調剤薬局には、個人経営のものと大手の企業経営によるものが存在します。近年個人経営の薬局は、経営的に不利な状況にあるそうです。
薬価や薬剤師の調剤技術基本料は法律で定められているので、その部分での差はありません。では、個人経営と大手の調剤薬局の差はどこにあるのでしょうか?
まず抱える薬剤師数の問題が挙げられます。社員の退社に備えて予備の薬剤師を抱えておく必要があり、個人経営の場合その固定費が経営を圧迫することになります。大手の場合は、店舗間で薬剤師を流動化する事ができるため余剰な人材を抱えておく必要はなく、こうした余分な固定費の問題は発生しません。
次に在庫の問題があります。薬剤師の数の問題同様、不良在庫(デッドストック)は大手であれば店舗間で調整する事が可能ですが、個人経営ではこれができません。不良在庫はあまり使用されない医薬品が処方されそれ以降使用する機会がなかった場合や、ある一定数をまとめて包装する「最小包装」のために必要量以上の薬を仕入れてしまった場合などに発生します。また、近年ジェネリック医薬品も取り扱う必要があり結果品目の種類が増えてしまい、これも不良在庫を発生させる要因となっています。個人経営にとって、不良在庫の問題は経営を圧迫する大きな要因のひとつです。
個人経営と大手では仕入れ価格にも違いがあるそうです。大手であればあるほど取り扱う量も多く、それにともない仕入れ価格も割安になってくるという現実があります。これをスケールメリットと呼びます。
また、「門前薬局」は大手のチェーン店が独占する場合が多く、これにより患者が一点集中してしまい、大手と個人経営の差はますます大きくなってしまいます。
このような要因で、個人経営の薬局は大手の傘下に入らざるを得ない状況にあるのが現状であるという事です。
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