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調剤薬局の再編・淘汰の時代
みなさんは、日本全国にある調剤薬局の数をご存知でしょうか。
1997年に薬剤師会が発表した適切な薬局数は2万4千軒でしたが、約20年後の2014年には全国に5万4千軒もの調剤薬局が存在するようになりました。
なんと、適切と算出された数字よりも3万件も多いのです。当然、業界では再編&淘汰の話題が持ち上がっています。
今回は、再編と淘汰の軸やターゲット薬局についてお話していこうと思います。
再編&淘汰の軸とは?
調剤薬局 は、医療法上の医療提供施設ですが営利企業の集合体です。原資は、国民の医療費ですが、企業なので利益を上げなくてはいけません。
調剤薬局市場としては、1年で6.6兆円といわれており、6.6兆円のうち、大手チェーン薬局上位10社が売上の10%を占めています。この10社は経営戦略により、今後も利益を上げ続けるだろうと言われています。
経営戦略には、業務提携、経営支援、共同出資、医薬品の共同仕入れなどがあります。その過程で、調剤薬局の再編&淘汰が現象化してきます。
つまり再編と淘汰の軸は、戦略並びに体力のある大手の調剤薬局チェーンと言われています。
ターゲットは?
再編と淘汰のターゲットとなりやすい調剤薬局は、主に4つの問題を抱えているところと言われています。
1. 経営の失敗
2. 薬剤師の採用が困難
3. 教育整備が整っていない
4. 後継者問題
1. 経営の失敗
経営の失敗にはさまざまな要素があるとされますが、固定費が高いと薬局維持は困難と言われています。主な固定費としては、地代賃貸料、人件費です。これらが相場より高いところは、経営を圧迫しやすいので注意です。
また、外的環境の変化により急な経営の悪化も起きることがあります。
マンツーマンとしての調剤薬局の場合、門前クリニックの撤退や引越しにより影響を受けます。全く流行らないクリニックのマンツーマンも辛いですし、又あまりに有名な医師のクリニックは物理的に整備された環境へ移転する傾向がありますので先が不安です。
2. 薬剤師の採用が困難
調剤薬局は、規模を問わず薬剤師不足に悩まされています。特に中小規模の調剤薬局では、1人の常勤薬剤師が退職すると次の薬剤師がすぐには来ないのが現状です。その為、会社側も薬剤師の中途採用には慎重になっています。
3. 教育整備が整っていない
薬剤師の雇用関係を考える上で、重要な要素の1つに教育があげられます。 教育がしっかりしていると新卒の採用を増やすことができるからです。教育と言っても、学術面だけでなく社内で行う社会教育全般をオールラウンドで整えられていることがポイントです。
4. 後継者問題
調剤薬局に関わらず、組織の後継者の有無はとても重要ですね。調剤薬局の存続に直結するところです。近年、自営や中小の調剤薬局では後継者不足で店を譲り渡すケースが多くみられます。
理想の職場とは?
調剤薬局の再編と淘汰に対しては、肯定的な意見と否定的な意見に分かれると思いますが、薬局が1〜4の問題を抱えている場合はターゲットになるでしょう。これが調剤薬局が増えすぎた結果の自然な流れなのかもしれません。
転職活動を行う上で、この業界の大きな流れを考えながら行うと、より理想の職場を見つけられるかもしれません。
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