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  4. 調剤薬局の中の「基準薬局」とは?

調剤薬局の中の「基準薬局」とは?

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みなさんは、患者さんから「こちらの薬局は基準薬局ですか?」と尋ねられた経験はありますか?ほとんどこのような形で直接的に質問を受けることはないとは思いますが、患者さんの中には興味を持たれているかたもいるので、しっかり説明できるようになっておくとよいと思います。

では、まず最初に基準薬局の位置づけと認定項目についてお話し、次に基準薬局がどのくらいの割合であるかについてお話していきます。

基準薬局の位置づけと認定項目について

基準薬局とは、薬剤師会が作った制度で各都道府県の薬剤師会が審査をして認定されます。この制度は患者さんに対して“かかりつけ薬局の目安にしてくださいね”という、ものさしとして位置づけられています。さて、審査の項目ですが、大きく分けて5つあります。

1. 責任を持って処方せんを調剤している
2. 医療提供施設として適切な体制を整備している
3. 医薬品の供給拠点として一般用医薬品等を販売しその販売方法が適切である
4. 地域の保健・医療・福祉に貢献している
5. 十分な知識・経験のある薬剤師が勤務している

各項目の細かい基準を見ていきましょう。

1. 責任を持って処方せんを調剤している

1 保険薬局の指定を受けている
2 処方せんに基づく調剤、薬歴管理、服薬指導等を、薬剤師が適切に行っている
3 各種公費の取扱いがある
4 麻薬小売業者の免許を取得している
5 患者の後発医薬品選択に対応できる体制を整備している

2. 医療提供施設として適切な体制を整備している

6 地域住民・患者の需要や地域医療体制に対応できる開局時間・曜日である
7 休日・夜間においても、必要な場合に処方せん応需や一般用医薬品等の供給を 行うことができるよう、適切な措置を講じている
8 在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っている
9 医療の安全を確保するための体制を整備している
10 医薬品等の適切な管理のために必要と認める試験検査を行い、特に品質に疑いのあるものについては、薬剤師会関係試験検査センター等、厚生労働大臣の登録を受けた試験検査機関を利用して積極的に試験検査を実施している
11 情報収集等のためにインターネット等のIT環境を整備している
12 使用済み注射針等の回収・廃棄について適切に指導を行っている
13 薬局内が全面禁煙であり、たばこを販売していない

3. 医薬品の供給拠点として一般用医薬品等を販売しその販売方法が適切である

14 地域住民のセルフメディケーションを支援するために必要な一般用医薬品等を提供している
15 休日・夜間においても、必要な場合に処方せん応需や一般用医薬品等の供給を 行うことができるよう、適切な措置を講じている
16 一般用医薬品の陳列方法が適切であり、対面販売を原則としている
17 名札や着衣により薬剤師とそれ以外の者の区別が容易にできるようになっている
18 購入者への情報提供・相談対応の実効性を高めるため、店舗の内外に必要な掲 示を行っている
19 地域の保健・医療・福祉に貢献する薬局として、国民および医療関係者の信頼 を損ねることのないよう、販売姿勢に留意している
20 医療機器の供給を行っている
21 毒物劇物一般販売業の登録を受けている
22 医薬品製造販売業の許可を受けていることが望ましい

4. 地域の保健・医療・福祉に貢献している

23 地域住民へのくすり教育等の啓発活動、薬物乱用防止活動、学校薬剤師活動、 保健指導など、地域の薬事衛生、環境衛生の維持向上のために行われる各種事業に参加し、保健衛生の維持向上に貢献している
24 薬剤師会等が実施する各種調査に報告・協力している
25 一般用医薬品の陳列方法が適切であり、対面販売を原則としている

5. 十分な知識・経験のある薬剤師が勤務している

26 管理薬剤師は保険薬剤師として3年以上の経験がある
27 従事する薬剤師は、日本薬剤師会の定めた「薬剤師倫理規定」を遵守している
28 従事する薬剤師は都道府県薬剤師会等が開催する研修会に参加している

これらを満たすと、都道府県薬剤師会から基準薬局と認定されます。
では、次に基準薬局の割合についてみていきましょう。

基準薬局の割合について

調剤薬局の中で実際何割くらいが基準薬局と認定されているのか?は、とても興味深い数字かと思います。今回は、首都圏に限ってみていきたいと思います。

<平成21年6月現在>

調剤薬局数 基準薬局数 基準薬局の割合
東京都 5922 1131 19.1%
神奈川県 3334 1138 34.1%
千葉県 2156 210 9.7%
埼玉県 2390 617 25.8%

首都圏では、基準薬局割合は10%〜35%です。
都道府県によりバラつきがあるのが今の日本の現状です。

基準薬局とそうでない薬局、働き方の違い

基準薬局とそうでない薬局は、基本的に働き方が変わってきます。

休日・夜間の対応が定められているため、休日当番制が導入されている地域もあります。
かかりつけ薬局は、地域の患者さんのためにきめ細かなサポートができるかどうかにかかっているからです。

一見、基準薬局は激務に感じますが、薬剤師会の救急当番を希望すれば、いろいろな薬局の薬剤師と知り合うこともでき、また一緒に働いて情報交換をもでき、横のつながりも得るという貴重な経験もできます。

基準薬局の認定を受けている調剤薬局で勤務したいと思っているか?思っていないか?
転職活動をする際に、基準薬局という視点で見ていくのもとても良いと思いますよ。

 

※このほか基準薬局についての詳しい情報は「日本薬剤師会ホームページ」をご覧下さい。

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