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調剤薬局の人間模様 ‐薬剤師と事務‐

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現代はストレス社会と言われます。漠然とした苛立ち、モヤモヤとした想い、不透明な将来に対する不安のある社会です。そんな中、日常の大半の時間を過ごす社会との関係性は精神衛生上とても重要なファクターになります。

大企業でも中小企業でも、調剤の現場は2〜10名程度の単位で運営されています。これが、私たち薬剤師が毎日の大半を過ごす場所です。

今回は、調剤薬局における薬剤師と事務の関係について業務面から話をしていこうと思います。

調剤薬局における業務

調剤薬局の日々の業務には3本の柱があります。
それは、『 レセコン入力 ⇒ ピッキング ⇒ 投薬 』です。

その中で、今回はピッキングと投薬を分けて話をしたいと思います。
本来、調剤業務はピッキングから監査、投薬といった一連の作業のことをいいます。しかし、「調剤」という定義が明確になっておらず、現場では概念についてまだ賛否両論があるのが現状です。

厳密に言うと薬剤師以外のものが調剤に関わることは違法とみなされます。日本には、アメリカのようにテクニシャンという調剤補助を職業とする仕事が確立されていないのです。

調剤薬局のカラーについて

調剤薬局の日常業務の柱である、レセコン入力、ピッキング、投薬を誰が関わるかによって大まかに以下の4パターンの組み合わせが考えられます。それが、その調剤薬局のカラーのもとになります。

①レセコン入力 ②ピッキング ③投薬

  • A: 薬剤師①②③
  • B: 薬剤師②③ 、事務①
  • C: 薬剤師①②③ 、事務①②
  • D: 薬剤師②③ 、事務①②

Aにあたる薬局

薬剤師しかいません。管理薬剤師と薬剤師の世界です。同じ業種の、上司・同僚・部下の縦と横の関係です。病院内の薬剤部にちかいものがあります。

Bにあたる薬局

業種によってくっきりと業務が分けられています。責任の所在は明確になり、調剤薬局の本来のシンプルな形です。

メリットとしては、ビジネスライクに業務を展開できることです。良くも悪くもあっさりとした緊張のある関係性で、薬剤師の指示の下で調剤薬局が運営される形です。

C、Dにあたる薬局

業務に重なる部分を持たせた形態です。

メリットとしては、忙しい時に協力することができます。多くの人の目で各段階で確認することが可能となり、また声掛けによりミスが減る効果もあります。

デメリットとしては、重なる部分がいわゆるグレーゾーンとなることです。いざ、ミスの再発防止について話し合おうという段階になると険悪なムードに包まれることもあります。最悪、薬剤師VS事務という構図に発展してしまうこともあります。

薬剤師のタイプもさまざまで、事務が調剤室に入ることすら受け付けない人から、全く抵抗のない人もいます。事務のタイプもさまざまで、薬剤師がレセコンを入力することに抵抗を示す人から、全く気にしない人もいるのです。

これは、お互いのテリトリー意識やプロ意識が背景にあります。しかし、裏を返すと自尊心の現れでもあるのです。

本来、複数の業種により重なる部分を持たせないようにすることが重要ですが、限られた人数で日常業務をこなさなくてはならないという現実問題もあります。経営面を考えると、重なりを持たせることが人員の確保につながるからです。この辺は諸刃の剣です。

転職時に自分の意識を確認する

人間というものは不思議なもので、一度経験したことは抵抗なく受け入れる事ができます。そして、それは次第に自分の中のモデルや基準となります。

学生時代に行う実務研修や最初の勤務先をモデルに転職活動を行うと、盲点が生まれます。自分の常識がいざ通用しなくなる自体になってから失敗したことに気がついても遅いのです。

 

そういったことを防ぐためにも、薬剤師として自分の意識はどの辺りにあるのか?
例えば、A,B,C,D どのタイプの調剤薬局が自分の肌にあっているのか?そのあたりを整理して転職活動を行うことは、意味があると思いますよ。

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