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「ヒヤリハット」対策
「ヒヤリハット」という言葉は、今や工事現場のみならず自動車の運転から子育てに至るまであらゆる場面で使われる様になり、その意味が非常に広く知られるようになっています。では、薬剤師業務のヒヤリハットはどのように発生し、またどのように対策を取られているのでしょうか?
公益財団法人である「日本医療機能評価機構」では「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」として、毎年事例の集計報告を行っています。それによれば、薬局では特に以下の3点に該当する事例を「ヒヤリ・ハット」として扱うとの事です。
1.医療行為の工程に何らかの誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例。
例えば薬を間違えて調剤してしまったが、患者に渡すまでに間違いが発見された場合となります。
2.医療行為の工程に誤りがあり、患者に実施されてしまったが、影響が認められなかった事例。
または、治療が必要であったが、軽微であった事例。
1同様に薬を間違えて調剤してしまったが、患者が服用する前に気がついた場合となります。
3.2同様誤った医療行為が実施されたが、患者への影響が不明である事例。
1・2同様薬を間違えて調剤してしまったが、患者と連絡が取れない場合となります。
最新の統計資料によれば、「ヒヤリ・ハット」の内容で一番多いのは「数量間違い」で、間違いが発生した場面は調剤時が多く、最初の発見者は調剤した本人とスタッフで大半を占めており、上記の分類で言えば1がほとんどという事になります。1の段階で未然に防ぐ事が非常に重要であり、そのために複数の人間による確認を強化する、表記をわかりやすくするなどの対策が考えられます。
「ヒヤリ・ハット」を経験したら次に大きな事故につながらない様に、再発防止策を講じてその数を減らしていく事が重要です。そのために最新の事例を共有する事は非常に有効であると言えます。
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