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薬剤師が海外の調剤薬局を研究するために留学すべき理由
世界の薬剤師と薬事制度は、国によって全くといっていいほど違います。たとえば、フランスでは、町の調剤薬局で働く薬剤師と、病院で働く薬剤師は、大学の履修科目や年数も違います。また、調剤薬局の数も日本の半分、薬剤師の数も日本の4分の1程度と言われており、薬剤師の大半は製薬会社に勤務するのが一般的です。
一方、イギリスやアメリカなどでは、日本では薬剤師がやるような、処方入力、薬の容器入れ、仕分け、ラベル作りなど(つまり調剤)は「テクニシャン」と呼ばれる補助者が行います。薬剤師は、疑義照会やカウンセリング、保険会社との折衝業務、処方監査がその仕事になります。興味深いことに、日本では当たり前のように行われている、散剤の混合などは原則的に禁止されています。また、薬剤師による処方権もかなり広い範囲で認められています(逆に薬剤師の権限が極端に狭いのは日本くらい)。
何をもって先進的というかは別にして、日本とは明らかに異なる、薬剤師の働き方や薬事制度に触れるために、海外の調剤薬局研究を目的とした留学を行うことには、一定の価値があると思います。また、日本の薬剤師の労働環境や、調剤制度、調剤薬局のあり方を変えたい、良くしたい、という志の高い人は、いろいろな国の調剤薬局を研究するために、ぜひとも留学することをおすすめします。
もっとも、調剤薬局の研究というのは、「社会薬学」のカテゴリーに入ることが多いので、できることなら学生のうちから興味を持って、その分野の研究を始めておくほうが、道を開きやすいでしょう。また、留学とまではいかなくとも、薬剤師の海外研修の一環として、欧米の調剤薬局の視察や現地薬剤師との交流を企画している調剤薬局チェーンやドラッグストアもあるので、本格的な留学をするほどでも…という人は、こうした方法もあることを知っておくと、役に立つでしょう。
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