帰国後、海外での経験をいかした転職先とは？

薬剤師の資格をもって海外へ留学した人には、帰国後どんなキャリアが待っているのでしょうか。

薬剤師として英語力を活かす

製薬企業

英語と薬剤師の資格の両方を武器にするなら、商社、海外と取引のある製薬企業について調査してみることをおすすめします。総合商社では医薬品関係のみならず、化学品や物資など様々な部署において優秀な人材の中途採用を行っています。「専門知識と実務経験」＋「英語力」＋「海外での生活経験」は大きなプラスになります。海外で意思疎通に四苦八苦した経験のある人達のコミュニケーション力や難しい問題に向き合う対応力に期待が寄せられます。

病院関係

病院で活躍する臨床薬剤師は、米国のようにどんどん専門分野に特化していくことが予想されます。糖尿病における薬物療法、あるいは透析に関する調剤など。
世界からの最先端の情報を英語で読みこなし、海外での専門医療部隊と提携などといった仕事もキャリアの一部になっていくのでは。

知識を活かして法律関係へ

医薬や薬学関連の特許申請などに携わる弁理士の仕事も、薬剤師としての専門知識が重要。ただし、弁理士の試験に合格するまではサポートとしてのお仕事になります。
英語の資料や文献を読破する力が要求されるという点では、海外の医療機器の輸入・薬事申請にかかわる仕事も同様です。

出版関係へ

医薬新書や医学・薬学関係の翻訳を手掛ける出版会社などでWEBサイトにもアクセスすることが頻繁にあります。国内外を問わず、どこにどう問い合わせれば分かるかという人脈やリソースがあることも大事。

小売業界へ

少子化社会に突入している日本では、海外へ進出する小売店が増えています。最近では社内の公用語も英語というニュースがありました。大手ドラッグストアも例外ではありません。
ここでも、語学に堪能、海外経験のある薬剤師のニーズが高まっています。海外で受け入れられる商品の選別・開発などというキャリアに発展していくケースも見られます。

これからのニーズ

今後、さらに多くの外国の人達が来日し、日本で就職し生活することになると言われています。そうなれば必然的に英語でコミュニケーションができ、他の文化を理解できる薬剤師の需要も高まります。

薬だけではなく、外国（特に欧米）では、サプリメントが生活の一部になっているため、食事と同じように摂取し病気の予防や体力増進に心がけています。薬とサプリメントの両方について、しっかりとした情報を外国の方々に提供できる薬剤師のニーズは一段と高くなるはずです。

帰国後は、従来の薬剤師という固定観念にとらわれず、自分の興味とどんなキャリアを追求していきたいかについて再確認する良いタイミング。

海外での経験をいつまでも最大限にいかし続けるために、国内だけではなく、常に海外情勢にも目を配り、新しい発想で自分のキャリアを積み上げていきたいものです。