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  5. これからも本当に安心?売上高や店舗数ランキング上位の大手ドラッグストアチェーン

これからも本当に安心?売上高や店舗数ランキング上位の大手ドラッグストアチェーン

経済産業省の最新の商業動態統計調査(平成30年8月分データ)によると、 2017年度ドラッグストア業界の商品販売額はおよそ6兆1624億万円。店舗数は15,197店舗までに成長を遂げていることがわかっています。

日本チェーンドラッグストア協会によれば、ドラッグストア業界全体では、セルフメディケーションなどの新たなサービスを生み出すことを目標にしつつ、約7年後の2025年には10兆円産業化を目指しているようです。

そんなドラッグストア業界は、調剤薬局チェーンとは異なり、売上高上位10社が業態売上高の約7割を占めている状況です。

転職を考える薬剤師さんの中には、「いろいろあるけど、売上高や店舗数が多い大手のドラッグストアなら、将来安泰でしょ」と考えている人もいるかもしれませんね。

ドラッグストアの売上や店舗数は、たしかに企業の成績表とも言えるので気になりますが、

結論をいいますと、薬剤師として働くという目線で考えれば、会社の方針として今後どんなことに力を入れていくのかという会社のビジョンが自分のやりたいこととマッチしているかのほうが、売上や店舗数よりも大切ではないか、と筆者は考えます。

しかし、業界の再編が進むと、薬剤師を取り巻く環境は少なからず影響を受けます

ドラッグストアに転職を考えている人はもちろん、今は調剤薬局でのびのび働いているという薬剤師でも、やはり今後の業界の動きは抑えておきたいものです。

そうでないと、「せっかく就職したのに、すぐに別の会社に買収されてしまった!」「ある日突然会社が変わった!」なんてことも起こりえるのですから…

 

ということで、今回は薬剤師が気になる

  • ドラッグストア業界全体のこれまでの様子
  • 今後のドラッグストア業界はどうなるのか(2019年予想ランキングも紹介)
  • 各社はどんな状況で、今後どんな取組みを推進していくのか
  • 厳しい状況のなか、どんなドラッグストアに転職すれば失敗が少ないか

これらについて、どこよりも詳しくまとめてみました。どうぞ最後までお付き合いください。

以下のグラフの情報はドラッグストア各社の2018年2月~5月期 決算短信[日本基準](連結)の情報をもとに、ファーマシストライフが独自にまとめて集計しました。

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業界全体のこれまでの様子

まずはドラッグストア業界について直近の過去を振り返ってみましょう。

2017年5月、ドラッグストア業界で、「22年ぶりに首位入れ替わり」という大きな出来事が起こりました。2016年度の売り上げ規模で、イオン系のウエルシアホールディングスがマツモトキヨシホールディングスを上回り、売上第1位になったのです。当時の首位交代は1994年度以来22年ぶり。業界の再編は長く言われてきましたが、今回は再編のインパクトを広く一般にも示した形となりました。

ウエルシアホールディングスはさらに、2017年9月2日、丸大サクラヰ薬局を完全子会社化。

しかし、その後、2017年9月29日付でツルハホールディングス杏林堂グループ・ホールディングスを子会社化し、さらに首位が入れ替わるのではないかという展開となり、業界再編は加速しています。

そんな中、2017年から2018年でランキングは、どう変化したのでしょうか。

2017年→2018年 大手ドラッグストアチェーンの売上高

まず売上高について見ていきましょう。

2017~2018年 大手ドラッグストアチェーン 売上高ランキング

2017年

  • 1位:ウエルシアホールディングス 6231.63億円
  • 2位:ツルハホールディングス 5770.88億円
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 5351.33億円
  • 4位:サンドラッグ 5283.94億円
  • 5位:コスモス薬品 5027.32億円

↓ ↓ ↓

2018年

  • 1位:ウエルシアホールディングス 6,952.68億円 (—)
  • 2位:ツルハホールディングス 6,732.38億円 (—)
  • 3位:サンドラッグ 5,642.15億円 (Up↑)
  • 4位:マツモトキヨシホールディングス 5,588.79億円 (Down↓)
  • 5位:コスモス薬品 5,579.99億円 (—)

2017年から2018年の売上1位はウエルシアホールディングス。2位はツルハホールディングス。そして3位にサンドラッグが浮上。マツモトキヨシホールディングスは4位に下落しています。

2017年→2018年 大手ドラッグストアチェーンの店舗数

続いて店舗数です。

2017~2018年 大手ドラッグストアチェーン 店舗数ランキング

2017年

  • 1位:ツルハホールディングス 1,755店舗
  • 2位:マツモトキヨシホールディングス 1,555店舗
  • 3位:ウエルシアホールディングス 1,535店舗
  • 4位:ココカラファイン 1,304店舗
  • 5位:サンドラッグ 1,070店舗

↓ ↓ ↓

2018年

  • 1位:ツルハホールディングス 1,931店舗 (—)
  • 2位:ウエルシアホールディングス 1,693店舗 (Up↑)
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 1,604店舗 (Down↓)
  • 4位:ココカラファイン 1,322店舗 (—)
  • 5位:サンドラッグ 1,119店舗 (—)

店舗数については、ウエルシアが2017年9月1日付で、丸大サクラヰ薬局を完全子会社化したことによりマツモトキヨシに差をつけ、2位と3位が入れ替わりました。

しかし、そんなウエルシアも、ツルハによる2017年9月29日付、杏林堂グループ・ホールディングスの子会社化には及ばず。

業界再編は続きますが、2017年から2018年の決算では、ツルハの店舗数ランキング1位は変わりませんでした。

2017年→2018年 大手ドラッグストアチェーンの営業利益

2017~2018年 大手ドラッグストアチェーン 営業利益ランキング

2017年

  • 1位:ツルハホールディングス 352.84億円
  • 2位:サンドラッグ 340.55億円
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 284.31億円
  • 4位:ウエルシアホールディングス 240.78億円
  • 5位:スギホールディングス 228.32億円

↓ ↓ ↓

2018年

  • 1位:ツルハホールディングス 402.36億円 (—)
  • 2位:サンドラッグ 360.80億円 (—)
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 335.65億円 (—)
  • 4位:ウエルシアホールディングス 288.26億円 (—)
  • 5位:スギホールディングス 247.60億円 (—)

企業の本業の利益を表す、営業利益。こちらは2017年と変わらずでした。売上1位のウエルシアは4位です。

マツモトキヨシについては、2017-2018年の売上高と店舗数の数字だけ見ると、不調のように見えてしましますが、単に他社のようにM&Aに注力していないだけで、むしろ訪日外国人観光客によるインバウンド消費により3期連続最高益を更新しています。

2019年のランキングを大予想!

では、2019年のランキングはどう動くのでしょうか?大手各社の動向がますます気になりますよね。

各社の決算短信の今後の見通しより、ファーマシストライフ編集部が独自に売上高、店舗数、営業利益別のドラッグストアランキング 2019年予想をまとめました。

2019年 大手ドラッグストアチェーンの売上高 予想

  • 1位 ツルハホールディングス 7,800億円 (↑Up↑)
  • 2位 ウエルシアホールディングス 7,436億円 (↓Down↓)
  • 3位 サンドラッグ 6,100億円(—)
  • 4位 ココカラファイン 6000億円 (↑Up↑)
  • 5位 マツモトキヨシホールディングス 5,850億円 (↓Down↓)

2019年 大手ドラッグストアチェーンの店舗数 予想

  • 1位:ツルハホールディングス 2,058店舗 (—)
  • 2位:ウエルシアホールディングス 1,823店舗 (—)
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 1,604店舗 (—)
  • 4位:ココカラファイン 1414店舗 (—)
  • 5位:サンドラッグ 1209店舗 (—)

※マツキヨについては、決算短信に新店閉店の予定についての記述がなかったため、2018年と同数になっています

2019年 大手ドラッグストアチェーンの営業利益 予想

  • 1位:ウエルシアホールディングス 418億円 (↑Up↑)
  • 2位:ココカラファイン 390億円 (↑Up↑)
  • 3位:マツモトキヨシホールディングス 355億円 (—)
  • 4位:ツルハホールディングス 318億円 (↓Down↓)
  • 5位:スギホールディングス 255億円 (—)

 

ツルハは2018年5月22日付で株式会社ビー・アンド・ディーホールディングスを子会社化しました。現段階では、売上高・店舗数ともに業界トップの予想です。営業利益としては4位になる予想です。

また、2019年は、ついにココカラファインが売上Top3に上がってくるか、気になるところですね。

マツモトキヨシホールディングスについては、売上高や店舗数ともに下がっていることは気になりますが、第11期の報告書によれば、中長期経営計画として平成32年(2020年)度 グループ売上高 8,000億円を目標としているとのこと。2017~2019年の数字からは見えづらいですが、しばらくは2020年以降の土台作りの時期といえるのかもしれません。

注目のドラッグストアチェーン5社を紹介

それでは、2019年売上見込みからランキング1位~5位のドラッグストアチェーンの特徴をまとめて紹介します。

ツルハホールディングス

北海道を起点に勢力を拡大中のドラッグストア

ツルハホールディングスは、北海道から始まった薬局で、北海道、東北ブロックにおけるシェアはNo.1です。近年、M&Aにより規模を全国に拡大しています。

2008年に島根を基盤とするウェルネス、2013年に広島を基盤とするウォンツ、2015年にはレデイ薬局をそれぞれ子会社化しました。2017年8月には、静岡県で展開する杏林堂を買収して、ドラッグストア業界の売上高首位に立ちました。さらに、タイ王国に19店舗も出店しています。

同じ地区に複数の店舗を構えるドミナントを形成し、他のドラッグストアに顧客が流れていかないような経営戦略をとっています。低価格の日用品などのPB商品の開発に力を入れており、売上げも好調です。
2013年には、国内大手ドラッグストアでは初めて、電子マネーマルチ端末をグループ全店に導入し、電子マネーでの支払いに対応。LINEアカウントによる情報提供も開始するなど、積極的な展開で話題を集めています。
イオン(株)と業務・資本提携契約を結んでいるのも強みです。

店舗全体の約2割が調剤併設になっており、今後も調剤併設店を積極的に進めていますので、薬剤師の採用も積極的に行っています。

残念なことに、くすりの福太郎は薬歴未記載が明るみとなり問題となりました。再発防止に向け、意識改革、オペレーションの見直しが行われていますが、依然業界内ではよくないイメージが残っています。就職を考えている人は、念頭においておきましょう。

  • 店舗名
    ツルハドラッグ、くすりの福太郎、ウォンツ、ドラッグストアウェルネス、レデイ薬局
  • 売上高
    6,732億38百万円(2018年5月期連結)
  • 店舗数
    1,931店舗 (2018年5月)
  • 店舗が多い地区
    北海道、東北、関東甲信越、中国

参照:ツルハホールディングスHP

採用は、ツルハドラッグ、くすりの福太郎、ウェルネス、ウォンツ、レデイ薬局のグループの事業会社ごとに行われているので、条件の違いなどに注意しましょう。

ウエルシアホールディングス

調剤併設店は約7割、中には調剤専門店もある関東を中心とするドラッグストア

2016年の売上高で、それまで22年間トップを走ってきたマツモトキヨシを首位陥落させたのが、この「ウエルシアホールディングス」です。

2008年に、ウエルシア関東株式会社と株式会社高田薬局が経営統合して、グローウェルホールディングス株式会社を設立したことがきっかけ。後に、名称を「ウエルシアホールディングス」に変更。

埼玉県を中心に、東北・関東・甲信越・北陸・東海・関西に店舗を持ち、そのうちの7割が調剤併設店、さらにその中の80店舗ほどが調剤専門店となっています。

イオンの子会社であり、2016年に株式会社CFSコーポレーションを吸収合併したことにより、一気に業界の売上高第1位に躍り出ました。子会社に介護事業会社を持ち、埼玉・茨城県で介護事業も展開しているため、今後訪れる超高齢社会を支える介護事業との連携や在宅医療での薬剤師の活躍に期待がかかります。

  • 店舗名
    ウエルシア、ハックドラッグ
  • 売上高
    6,952億68百万円(2018年2月期連結)
  • 店舗数
    1,693店舗 (2018年2月)
  • 店舗が多い地区
    関東

※参照:ウエルシア薬局HP

24時間営業・24時間調剤を行っている店舗もあり、忙しさやワークライフバランスは店舗によってまちまち。薬剤師転職を考えるなら、担当店舗の状況をきっちり聞くことが重要です。

サンドラッグ

10年間で売上が3倍に伸びているドラッグストア

1957年に多田幸正氏が東京都世田谷区で創業し、1965年にサンドラッグを設立、チェーン展開を開始しました。過去10年間で売上高・経営利益とも約3倍に成長しており、安定した基盤のある会社です。

店舗は、郊外型と駅前型の地域に合わせた店づくりをしており、調剤併設型のかかりつけ薬局作りにも力を入れています。

中国・四国地方を中心に展開しているディスカウントストア「ダイレックス」は、医薬品だけでなく生活必需品を幅広く扱い、より安く提供することで、スーパーやホームセンターの役割を果たし成長しています。

2009年に株式会社星光堂薬局とダイレックス株式会社を子会社化、さらに2014年にサンドラッグプラスを子会社化し、今では全国44都道府県でグループ店舗を展開。直営店舗の拡大とともに、各地方企業とフランチャイズ契約も進めており、フランチャイズ店舗を57店舗も展開しているところが特徴的です。

  • 店舗名
    サンドラッグ、ドラッグトップス、ダイレックス、星光堂薬局、サンドラッグプラス
  • 売上高
    5,642億円15百万円(2018年3月期連結)
  • 店舗数
    1,119店舗 (2018年3月)
  • 店舗が多い地区
    関東、九州

※参照:サンドラッグHP

特徴的な運営システムとして「1店舗2ライン制」という体制があります。これは、1つの店舗に接客・販売業務を担当する販売ラインと、商品・売り場を管理する運営ラインに別れて配置する方法で、ほとんどの薬剤師はカウンセリングに専念できるよう、販売ラインに配置されるようです。

ココカラファイン

調剤事業に強い専門性の高いドラッグストア

2008年にセガミメディクス株式会社株式会社セイジョーが経営統合し、株式会社ココカラファインホールディングスが新たに誕生しました。

医薬品、化粧品の売り上げ比率が業界平均よりも高いことが特徴で、カウンセリングを重視した販売姿勢を貫くことにより専門性の高いドラッグストアを目指しています。九州大学・後藤教授と共同開発したPB化粧品「VIVCO」はヒット商品の一つです。全国の8割を超える場所に出店しています。

他のドラッグストアがスーパーのライバルとしてディスカウント色を強く打ち出し、勢力を拡大していく中、ココカラファインは調剤事業を主軸に、介護事業まで展開しているドラッグストアです。

その地盤がしっかりしているため、ドラッグストアでありながら、業界トップクラスの調剤実績があり、調剤薬局としてのブランドイメージも浸透しています。超高齢化社会を支えていく会社として、また薬剤師が活躍できる地盤がしっかりしている企業といえるでしょう。

ECサイトの運営もしており、オンライン・オフライン共に広くカバーしている企業です。

また、日本のドラッグストア業界初となる中国での店舗展開を実現。今後は、ロシア、タイ、ベトナムなどでも展開準備が進んでおり、グローバル企業としての成長が見込まれる企業です。

  • 店舗名
    ココカラファイン、セイジョー、セガミ、ジップドラッグ、ライフォート、スズラン薬局、クスリのコダマ、クスリ岩崎チェーン
  • 売上高
    3,909億円63百万円(2018年3月期連結)
  • 店舗数
    1,322店舗(2018年3月)
  • 店舗が多い地区
    関東、東海、関西

※参照:ココカラファインHP

介護事業に取り組んでいるため、ドラッグストア(薬局)との連携が密接で、在宅医療にチャレンジしたいという薬剤師にも、良い環境といえます。

マツモトキヨシホールディングス

22年間トップを走り続けた、業界のリーディングカンパニー

2017年に創業85周年を迎えたマツモトキヨシ。松本清氏により千葉県の松戸市から始まった個人薬局でしたが、今や全国に1,500店以上展開する大企業となりました。

インパクトのあるTV-CMで「マツキヨ」という言葉を世間に広め、ドラッグストアの認知度をアップさせました。セルフメディケーションを推進するために大きな役割を果たしたと言えるでしょう。

そんなマツモトキヨシの店舗展開は、銀座の一等地から駅の改札内、空港内の出店まで、都市型店舗、郊外型店舗など地域の特性に合わせて様々。免税に特化した店舗を展開するなどして、インバウンド需要にも答え、観光客へ「MATSUKIYO」ブランドを浸透させたのも、売上に大きく貢献しています。

また、PB商品の開発ポイントカードやアプリの導入など、常に新しいことに挑戦してきたマツモトキヨシですが、2012年の80周年を迎えたのちに、代表の交代を経て、

  • マツモトキヨシ公式アプリを公開
  • 免税に特化した店舗を展開
  • アウトレットモールへの出店
  • 次世代ヘルスケア店舗の展開開始
  • 越境EC:アリババ社による天猫国際モールに出店
  • 海外1号店として、タイ王国への出店
  • オリジナルブランド「matsukiyo」を展開

と、これまで以上に精力的にチャレンジをしてきました。

2020年には、グループ売上高8,000億円突破を目標にしています。業界の順位が変わった今、挑戦し続ける業界のリーディングカンパニーの次の一手に注目が集まります。

最近は調剤併設店舗の出店も増えてきています。PBブランド「matsukiyo」の開発・販売にも力を入れており、健康サポート薬局としての展開も進められています。調剤業務を希望している薬剤師にも転職先候補のひとつとなるでしょう。

  • 店舗名
    マツモトキヨシ、どらっぐぱぱす、シメノドラッグ、ダルマ、イタヤマメディコ、ファミリードラッグ、ドラッグなかしま、ヘルスバンク、コーヨードラッグ、くすりのラブ、ミドリ薬品
  • 売上高
    5,588億79百万円(2018年3月期連結)
  • 店舗数
    1,604店舗(2018年3月)
  • 店舗が多い地区
    北海道、東北、関東甲信越、中国

参照:マツモトキヨシホールディングスHP

もし薬剤師としてマツモトキヨシに転職を考えているならば、マツモトキヨシの給与水準は業界でもトップクラスです。しかし、24時間営業の店舗などもあるため、深夜勤務の可能性もあります。
そして、当然ですが、業態がら土日祝日の出勤は多くなります。残業は店舗の人数配置によって変わってくるので、事前に確認しておきましょう。品出しや在庫管理など、ドラッグストアでの勤務内容は多岐にわたります。
大手のスケールメリットを生かした研修制度も備えられており、キャリアパスとしては、管理薬剤師や店長、バイヤー、スーパーバイザー、PBブランドの開発担当まであるのが魅力的です。

 

その他のドラッグストアについて、詳しくは以下のページをご覧ください。

今後の見通しと大手チェーンの戦略

大手ドラッグストアチェーン各社ともに、ドラッグストア業界の2018~2019年の見通しについては

国内景気の緩やかな回復を期待しつつも、世界経済の動向や原油価格変動、貿易摩擦を懸念した為替、株価の状況、地政学的リスクなどによる将来不安から、個人消費は低調なまま。さらに平成30年4月に診療報酬改定に伴う薬価引き下げ・報酬体系の大幅な見直しが実施されたことにより、今後も厳しい状況で推移する

と予想しています。

ドラッグストアチェーンは出店エリアにより、大きく以下3つのモデルに分かれていくことが今後予想されます。

  • 今までのように安売りを基本とした「ディスカウント型
  • 駅前やなどでOTC薬やHBC(ヘルス&ビューティーケア)の販売対応をしていく「カウンセリング型」
  • 清潔感や安心感を打ち出し、訪問介護の業務なども取り入れた「医療型

さらに戦略としては、企業によっては様々ではありますが

  • 調剤事業強化
  • 高付加価値の新業態店舗やPB商品の開発
  • オムニチャネル戦略によるECサイトや店舗での顧客サービスの充実
  • 爆買いなど、訪日外国人によるインバウンド需要への対応
  • コンビニや介護、保険サービスなど他業種と連携した新規事業参入
  • ドミナント戦略、M&A戦略、海外出店などによるシェア拡大
  • スクラップ&ビルドや改装、閉店による経営効率化
  • ICTを活用したローコストオペレーションモデルの構築

など進めていくことでしょう。

まとめ

ドラッグストア業界の課題

経済産業省と日本チェーンドラッグストア協会とが協力し、2018年3月16日、スマートストアを目指す共同宣言”ドラッグストア スマート化宣言”を発表しました。今後は、AI、カメラ、RFID など様々なツールを用いて流通をデジタル化し、業務効率化やデータ利活用による新たな価値の創造を目指す店舗がますます増えていくことでしょう。

そんななか、人手不足の深刻化、出店拡大、長時間営業による総労働時間の増加など、ドラッグストア業界の課題はまだ山積みです。

ここまで紹介したような売上や店舗数は気になりますが、最初に申し上げた通り、薬剤師として働くなら、それよりも会社の方針として、今後どんなことに力を入れていくのか、という会社のビジョンが自分のやりたいこととマッチしているかが大切ではないか、と筆者は考えます。

薬剤師として、どんなドラッグストアで働きたいですか?

もちろん売上を伸ばしていくことも大切ですが、自分が従業員として働くとしたら…という軸で考えると、

例えば、薬剤師として成長したい人なら、調剤事業強化を掲げているココカラファインのように、かかりつけ薬剤師の育成に注力する方針の企業もあります。教育やIT活用した顧客サービスの充実などに力を入れているところですと、働きやすいのではないでしょうか。

薬局開業を考えている人なら、出店強化、コストカット、地域に住む人々の健康増進を支援する「健康サポート薬局」作りを追求する企業の調剤併設店舗が色々と勉強になりそうですよね。

薬剤師の知識を活かして何か挑戦してみたい人なら、PB商品・新業態を推進している会社だと、やる気があれば思わぬチャレンジができるかもしれません。

皆さんは、どんなドラッグストアで働きたいですか。気になる企業があれば、店舗や会社に足を運んでみて、実際に肌で感じてみてはいかがでしょうか。

調剤薬局業界も、このドラッグストア業界の動きの余波を十分に受けると予想されているわね。
薬局に勤務している薬剤師にも決して遠くない話題なんですね…
薬剤師としてドラッグストアへの就職や転職を考えているなら、自分に合った会社を探すという視点だけではなく、業界の流れにも常にアンテナを張っておくことが大切だよ。
一つ確かに言えることは、常に先を見据え、貪欲に努力を惜しまず走り続ける企業が生き残っていくということだな!
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