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たったこれだけ? 患者を待たせないための3つの工夫

「薬局ってどうしてそんなに時間がかかるの?」多くの患者さんが抱えている疑問のひとつです。「書いてある通りに出すだけだろ」という患者さんもいます。これには、薬局の実際の業務内容が知られていないという課題があります。

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通常、処方せんの受付→入力→調剤→鑑査→交付という流れの中で、処方せんのミスや禁忌薬など、リスクを避けるために、処方せんの内容、お薬手帳、過去の薬剤服用歴などを注意深く確認する必要があります。疑問点は医師に疑義照会を行うことが薬剤師の義務でもあります。

このように正しく安全にお薬を提供するためには、時間がかかっても薬剤師が行うべきことは、しっかりとやる必要があります。

しかし、体調の優れない患者さんにとって、待ち時間は辛いものです。病院での待ち時間が長すぎて、すでにイライラした状態で来局する患者さんも少なくありません。

待ち時間のストレス、トラブルを回避するためにどのような工夫をしたら良いのでしょうか?

居心地のいい待合室にする

  • 本、雑誌、新聞、パンフレットを置く
  • 目を引くポスターや掲示物を設置する
  • テレビやビデオの設置
  • 座り心地のいい椅子にする
  • マッサージ器を設置する
  • お茶やコーヒーのサービス
  • 血圧計などの健康チェックコーナーの設置
  • 子供用のおもちゃや絵本

何もすることがないと、患者さんは、待つことにストレスを感じやすいです。患者さんの興味をひくものや、時間を潰せるものを用意することにより、注意を逸らすことができます。

浄水器のみのサービスから、お茶やコーヒーなども利用できる給茶器のセルフサービスに変えたところ、利用患者が多く、お茶を飲んでいる間はリラックスして待つことができ、待ち時間へのクレームが減ったケースもあります。

患者さん自身が、「孫のゲームを借りてきた。集中するから待ち時間も気にならない」と携帯型ゲーム機を持ち歩き工夫している人もいます。

居心地が良ければ、またあの薬局に行こうと思ってもらえるメリットもあります。

待ち時間の目安を伝える

どんなにがんばっても、時間がかかる処方はあります。

散剤、水剤、軟膏の混合や分包、錠剤の一包化などは、調剤、鑑査など他の人より時間がかかるためお渡しする順番が前後する場合があります。在庫していない薬を調達することにも時間がかかりますし、疑義照会の返事が遅くて待ち時間が伸びる場合もあります。

しかし、理由もわからずに、ずっと待たされると不安になるものです。

レストランでも、自分より後に来た人の料理が次々と運ばれてきて、自分の料理が出てこないと、忘れられてるのではないかと不安になったことはありませんか?はじめから時間がかかることを伝えられていれば、待たされても不安にはなりませんし、時間がなければ他のメニューに変えるという選択もできます。

それと同じで、あらかじめ時間がかかることがわかっているならは、処方せん受け取り時などに「○○分ぐらいお待たせしてしまいます」と、患者さんに声かけするべきでしょう。

目安時間がわかれば、待つ間に買い物に行く、食事をしてくる、待てないので家の近所の薬局に行くなど、患者さんが時間を有効に使う為の行動を選択できます。

銀行のような番号札を利用して、何人待ちかわかるように表示する方法も良いでしょう。
薬が出来上がったら、メールや電話でお知らせし、患者さんの都合のいい時間や、比較的空いている時間に受け取りに来てもらうなどの対策をとっている薬局もあります。

FAX・ネット予約対応する

どうしても待つのが嫌な人や、薬の種類が多く時間がかかることがわかっている場合、事前にFAXで処方せんの内容を薬局に送ってもらい準備しておくことで待ち時間を短縮できます。
しかし、お薬の交付は処方せんと引き換えでなければいけませんので、患者さんに必ず処方せんの原本を持って、有効期限内(発行日を含めて4日以内)に来局してもらうよう説明をしましょう。

今はFAX以外にも、携帯カメラで処方せん内容の写真を撮り、希望の薬局に送り準備をお願いする予約システムも増えてきています。

初めての患者の場合、あらかじめ副作用歴や併用薬、ジェネリック医薬品の希望の有無など、事前に確認しておかなければならない項目が多いため、世の中にシステムが浸透しスムーズに運用されるにはまだ時間がかかりそうですが、仕事で忙しい患者さんなどには重宝されそうです。

おわりに

待ち時間を減らす為に、薬剤師の人数を増やす、新しい機械を購入したり、分包機の台数を増やすと言っても限度があります。元々、よく出る薬の予製を作ったりしている薬局も多いでしょう。

一人ひとりが状況を把握し、臨機応変に能率良く行動することは大前提です。
くれぐれも、急かされたので間違えたり見落としたりして調剤過誤を起こさないようにしなければいけません。

みんなが待っているのに自分の都合だけのわがままで待てないという患者さんや、薬が多いのに不可能な短い待ち時間を要求する患者さんは、きちんと説明をして公平に対応しましょう。誰かをえこひいきすれば、他の患者さんにも迷惑をかけ、心証が良くありません。

しかし、ちょっとした知恵や工夫、配慮によって改善できるポイントはあるはずです。
ぜひ、薬局内で話し合いを持ち、スタッフも患者さんもお互いのストレスを少しでも減らし、気持ち良い対応ができる薬局にしていきましょう!

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