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保険調剤の流れ シリーズ2 -調剤をした薬剤師は誰?-
シリーズで調剤の流れについてお話しています。今回は、調剤における責任についてお話していきたいと思います。
通常は、一人の薬剤師が一枚の処方箋に対して最初から最後まで関わることはありません。今回は、一枚のその処方箋に対して誰が最終責任者かをお話していきます。
調剤業務の過程では複数の薬剤師が関与します
調剤業務の流れは、処方箋受付 ⇒ 調製 ⇒ 鑑査 ⇒ 投薬 です。
多くの薬局では、調製を行った薬剤師とは別の薬剤師が鑑査を行います。
理由は、客観的な立場の別の薬剤師が調製されたものを確認するのが望ましいからです。そのために、調製(ピッキング)する人、監査する人、投薬する人が別々なのです。
調製とは
調製は、ピッキングともいいます。ピッキング[picking]は、『集収』という意味ですね。
通常は、集めた薬を1つの平たいお盆状の入れ物に入れます。
散剤の場合は秤量、混合、分包を行います。
散剤は、1調剤毎に調製しますが、用法が同じものの場合は混合します。
錠剤・カプセル剤の場合、処方箋を見て該当の薬と数を棚から選び輪ゴムで留めます。これを計数調製といいます。
液剤ならば、投与日数毎に投薬瓶を分けて調整します。秤量器具で測り、必要時には精製水でメスアップして1回量をわかりやすく表示します。基本的に、メスアップ時には希釈液量が最小になるようにします。希釈液は、基本的には精製水を使用します。
外用剤は、製剤の計数調製を行います。
軟膏類の混合は、チューブ又はジャーから指示量を測りとり、軟膏板、乳鉢乳棒、自動練合機のどちらかで混合して出来上がったものを容器に詰めます。
鑑査とは
鑑査は、調製業務全体を通して発生する過誤を防ぐことを目的にしています。
集められた薬が正確に調製されたものであるかの確認行為です。基本姿勢は、調製したものをやりっぱなしにするのではなくて、自己鑑査は必須とされています。
処方箋の内容に問題ないか、内容を監査する処方鑑査。用法用量に問題はないか?調製した薬の数は合っているか?医薬品名は正しいか?を確認する作業です。
投薬とは
調製と監査が済んだ薬の最終チェックです。基本的には、患者さんのデータを元に総体的に問題ないか確認を行う作業です。
患者さんのデータは、既往歴・現病歴、併用薬、禁忌、アレルギーなどなどあらゆる側面から処方箋とデータを照らし合わせます。
その後に、再度処方内容通りに調整できているかの確認を行い、薬袋の数を確認します。
二回目の監査の役割も果たしています。
調剤印と責任について
調剤の過程で、数人の薬剤師が関わるとき誰が何をやったかの責任の所在をはっきりさせることが必要です。
各薬局によって、調剤手順書があり、誰が何をしたかが分かるような目印をつけることを決めているかとと思います。
一般的には、調製した薬剤師は処方箋の欄外又は処方箋の裏にサインをします。
総合病院前等、処方にボリュームがある薬局の場合、運用手順はもう少し詳細なものになるでしょう。
例えば、計量した人はその薬の右欄外にサイン。混合による調製をした場合は、その処方の欄外の左にサインなど。
調剤過誤だけではなく、患者さんからの問い合わせ時に、誰が何をしたかの目印があると問い合わせに対応するときにスムーズですし、問題を明確にすることができます。
もし、調剤の運用手順書に「調製した薬剤師は目印をつけること」等の決まりがない場合、どんな問い合わせに対しても追跡が難しくなります。
法律的には・・・・
全責任を負うのは、【投薬した最後の薬剤師】です!!!
その為少しでも、全責任を負う薬剤師の精神的負担を軽くすることに配慮した手順で運営することが望ましいですね。
あなたは責任を押し付けられてはいませんか?
調剤薬局は全国に5万軒以上あり、処方箋の方法や記入方法は薬剤師法上決まっていますが調製・監査・投薬の細かなやり方に関しては各薬局の運用手順によります。調製を機械化している薬局も多数あるからです。
事務さんが処方データを入力すると、ピッキングマシーンにデータが自動送信され、必要量を自動で作ってくれるものも普及しています。錠剤にも、液剤にもそれぞれピッキングマシーンが開発されていて、調製は機械が行う薬局も多くあります。
しかも、監査も、カメラで同時に上から横からと多方向から撮影して、監査記録を画像で残すシステムを導入している薬局もあります。
その為、薬局よって調剤のやり方は異なってきますし、比較的規模の小さな薬局の場合は最も現場で影響力があるのは管理薬剤師さんの考え方にも左右してきます。
管理薬剤師さんがちゃん薬事法を把握していない場合、調剤責任者が曖昧になったりして責任を押し付けられる事態も散見しているようですので、管理薬剤師と話をして納得いく回答が得られるようにしましょう!
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