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鍛えよう!薬剤師の伝える力と聞く力
コミュニケーションスキルは、多くの職種で必要とされるスキルです。仕事だけではなく、家族、友人などに対しても、コミュニケーション無しで生活が成り立つことはありませんから、生きる上で重要なスキルであるとも言えます。
薬剤師も、同僚やチーム医療を一緒に行う医師や看護師などの医療従事者、服薬指導を行う患者と毎日のようにコミュニケーションをとっています。
特に、患者とのコミュニケーションにおいて、話を聞くだけでなく、必要な説明を行い情報提供をし、より安全に服薬してもらい、健康意識を高めてもらえるように努めなければなりません。
しかし、患者の理解度は様々。
急いでいて、こちらが説明しても うわの空な人や、具合の悪さや高齢のため理解力が落ちてる人、病気のせいですぐに忘れてしまう人などもいます。そもそも話をしたがらない患者もいます。
このように、薬剤師は「言った」のに患者には「伝わってない」ケースが多々にしてあります。そのため、患者とのコミュニケーションに苦手意識を持っていたり、苦労している薬剤師が多いようです。
では、コミュニケーションが上手にとれている人たちはどのようなことに気をつけているのでしょうか?
目次
まずは患者のタイプを知るところから
- 結論から聞きたい
- 1から10まで順番にじっくり聞きたい
- ポイントを聞けばわかる
まず、相手がどういう性格か?見抜き、相手に合わせて臨機応変に対応する能力が必要です。じっくり時間をかけて説明することで、「ありがとう」と満足する患者と、逆にイライラさせてしまって怒らせてしまうケースもあるからです。
相手のタイプに合わせてコミュニケーションをとるためには、まず、相手を観察することが必要です。説明文書ばがりに視線を落とし、患者の顔を見ていないようでは、気づくことはできません。
また、患者にタイプがあるように、自分にもコミュニケーションのタイプや癖があります。自分のタイプを分析して知っておくことも重要でしょう。
より良いコミュニケーションをとるためのポイント
一般的に、コミュニケーションを取る上で、情報が伝わる経路は大きく3つあります。
- 視覚情報・・・(表情・態度)
- 聴覚情報・・・(声の質・大きさ)
- 言語情報・・・(言葉の内容)
この3つを踏まえ、以下のようなポイントに気をつけるとよいでしょう。
- 挨拶をする
- 笑顔で対応する
- 身だしなみを整える
- うなずき
- 身振り、手振り
- アイコンタクト
- 話のスピード
- 声のトーン
さらにワンランク上のコミュニケーションを目指すための注意点
- 専門用語は避ける。わかりやすい言葉を使う。
- 図を使ったり、たとえ話をからめて説明する。
- 間を取りながら説明する。
- 表情・反応をみて、理解度を確認しながら説明する。
- 話を傾聴し、最後まで聞いてから説明する。
- 質問や疑問点がないか確認しながら説明する。
一方的に説明をするのではなく、相手の表情、目を見ながら、理解度を伺いながら話を進めましょう。専門用語を避けるのはもちろん、カタカナの薬の名前はどうも一般の人には覚えづらく混乱するようです。ご高齢な患者は耳が遠い場合もあり、大きな声で、ゆっくりと話したほうがいい場合もあります。
先入観や思い込みを捨て、相手の気持ちを尊重し傾聴すること、会話のタイミングをみながら必要事項を伝えることも大切です。
また、人には「パーソナルスペース」(心理的な縄張り)があり、踏み込みすぎると不快感を与えてしまいます。特に、病気や体調のことなど、デリケートな話に触れなければいけない状況では、相手との程よい距離感を保ち、安心感を与える心配りが必要です。
安心感があることで、お互いの距離感がより縮まり、信頼関係を築いて行くことができるのです。
話の長い困った患者への対応は?
患者の話を傾聴することが大切だと述べましたが、他にも待っている患者がいる場合、1人だけに時間をかけることもできません。
患者の気持ちに共感することが大事ですが、うなずきだけでこちらから話を引き伸ばさないようにしたり、感情の言葉で締めくくったり、他のスタッフから声をかけてもらい患者の注意を逸らしたり、関係ない話が止まらない場合は、正直に「他の患者さんもお待ちなので。」と伝える勇気も必要です。
ダラダラ会話に付き合うのではなく、必要な指導をした上で、全体に気を配り、業務をスムーズに進めることも薬剤師の能力のひとつであることを自覚しましょう。
おわりに
時には厳しさも必要
質の高いコミュニケーションをとることができれば、患者の信頼を得ることができます。「かかりつけ薬局」の働きが重視されてきている中で、「相談しやすい」雰囲気作りに努めることは重要です。
しかし、患者の顔色ばかり伺うようなコミュニケーションの取り方になってしまっている場合は、見直したほうがいいかもしれません。
薬剤師は、ただ物を売っているのではありません。薬にはリスクがつきまといます。危険ドラッグの蔓延、低血糖や眠気など薬の副作用による運転事故などが非常に問題になっています。安全に使用してもらうために、患者の知識不足や誤解があるならば、正しい方向に導くのが薬剤師の職務です。
ダメなものはダメ、と時には厳しく指導することも必要です。その時に「なぜ、どうしてダメなのか」を理解して納得してもらえるような説明をするように努めましょう。
コミュニケーション能力を磨き、正しい知識の啓蒙に努め、患者の健康を守るために頑張って下さいね!
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