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救急医療の現場で活躍する薬剤師の使命と役割
医師たちにとってもなくてはならない存在の薬剤師
2009年に創設された救急認定薬剤師制度ですが、一刻を争う救急医療の現場で薬剤師はどのような役割があり、何を期待されているのでしょうか。
ある調査では、救命救急センターに専任の薬剤師がいるのはわずか28.1%という結果が出ています。“わずか”と表現していますが、そのわずかな数の救急認定薬剤師以前は救急の現場に薬剤師は不在でしたが、今では医師たちの間でも「なくてはならない存在」として認められています。
適切な薬剤の投与量や投与ルートなどを考慮した対応
では、具体的に救急医療の現場で、薬剤師たちがどのような役割をしているのでしょうか。
ルーチンワークとしては、注射薬や内服薬をセットしたり、医師と一緒にカンファレンスや回診をしたりなど、基本的には一般病棟の業務と同じですが、初療室での業務が中心となることも多々あります。
救急隊から患者さんの搬入連絡が入ると、意識レベルや血圧、病態などの情報により、必要と思われる医薬品を用意しておかなければなりません。心肺停止で搬入されてきた患者さんには、処置でバタバタしている医師や看護師に代わり、薬剤師が冷静に記録をとり、一定の時間ごとにアドレナリンを投与したりすることもあります。
このように、救急の現場では重篤な患者さんが多いため、薬剤師による適切な薬剤の投与量や投与ルートなどを考慮した対応が重要となります。
医師たちにとっても、病態が変わりやすい重篤な患者さんの場合、薬剤師からの薬物動態学的な観点からの提案は非常に貴重ですし、救急の現場では、教科書には載っていないことや一般病棟では経験しなかったことが多々あるため、日々の研鑚を積み重ねていかなければ医師たちの期待に応えることもできないでしょう。
縁の下の力持ち⇒医師のパートナーとして
これまで医療の現場では、薬剤師は縁の下の力持ち的存在でした。しかし、こうして救急医療にスポットを当ててみると、薬剤師は医師のパートナーとして欠かせない存在だということを強く感じることができます。
また、多種多様な薬剤や輸血を使用しなければならない救急の現場では、容態が急変し薬剤を変更することも多いため、小さな疑問でもキチンと解明し即時対応しなければなりません。それだけに薬剤師としてのやりがいを感じることができますし、患者さんの治療に貢献するという薬剤師の使命を果たすことができます。
今後は、救急医療の現場に薬剤師がいるのが当たり前という時代が早く来るよう、薬剤師自身もますますがんばらなければと思います。
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