病院独自の非正規薬・院内製剤に安全指針

【引用ニュース】
病院で薬剤師が作った薬が、明確なルールのないまま広く使われている。院内製剤と呼ばれ、正規の医薬品ではない上、人の摂取を前提にしていない化学試薬で作るものもあり、安全性や有用性はあいまいだ。今年２月には名古屋大病院で製剤ミスが判明し、日本病院薬剤師会は安全な院内製剤を実施するための指針を作ることを決めた。
（2012年4月3日 読売新聞）

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56775

この記事には、『健康被害や妊娠への影響はなかったが、１年にわたり53人に使われていた』と書かれています。
不妊治療に使う座薬に必要な成分へのミスが、今回明らかになったわけです。

でも、影響があってからでは遅いですし、まして不妊治療のためということは妊娠する可能性があるってこと。

そういう患者さんに、人体への安全性が明確でない動物実験用の試薬を使っていたというのです。

もちろん、院内製剤そのものを否定するつもりはありません。
しかし、問題は人体用でない原料を使っていることを患者さんにきちんと説明していないこと。ここが大問題！！！

もしも妊娠し、胎児に何らかの影響があったらどうするのでしょうか？ そして、そのことを後から知った患者さんの苦悩を考えてのことだったのでしょうか。

とてもそうは思えませんよね。

悪く解釈すれば、患者さんに話せば拒否され研究にならないという心理が働いていたのでは？と疑いたくなります。

過去には製薬会社から市販化された院内製剤だってありますし、その薬によって回復された患者さんもいるのです。でも、問題は医療側の対応ですよね。

患者さんは私たちを信頼してくれている、ということを忘れてはならない。そして、その思いに応える医療でなければならないと改めて感じさせてくれたニュースでした。