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ドラッグストアの仕事ってどう?ドラッグストア薬剤師に聞いてみた
全ての薬局やドラッグストアが、2025年までに「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」としての機能を持つことを目指すことになり、一般のドラッグストアでも薬剤師の求人が増えてきています。
では、そんなドラッグストアで働く薬剤師には、調剤薬局で働く薬剤師と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。やりがいやお給料についても気になりますね。
今回は、ドラッグストア薬剤師として6年間の勤務経験がある薬剤師Aさん(女性・30代)に、ドラッグストアで働くことについて詳しく伺ってみました。
目次
- 1 処方箋医薬品とOTC医薬品、両方の知識を身に付けたかった
- 2 入社後の研修は充実。仕事内容の基本は調剤だった
- 3 嬉しかったのは、おすすめした商品をお客様がリピート購入してくれたこと
- 4 大型店舗での大量の品出し、知識のない商品への質問対応は苦労した
- 5 ドラッグストア薬剤師の仕事で身に付いたのは2つの知識とスキル
- 6 調剤薬局より、ドラッグストアの薬剤師手当のほうが高い!?
- 7 ドラッグストア薬剤師のキャリアは ”管理薬剤師→店長” の順で昇進
- 8 ドラッグストアに向いているのは “好奇心旺盛で活気のある人”
- 9 ドラッグストア勤務経験のある薬剤師が選ぶ 魅力的な求人 (2016年6月29日現在)
- 10 おわりに
処方箋医薬品とOTC医薬品、両方の知識を身に付けたかった
—なぜドラッグストアを志望したのですか?また、なぜ現在の勤務先を選んだのはですか?
Aさん:
処方箋医薬品だけではなく、OTC医薬品と両方の知識を身に付けたかったため、調剤併設ドラッグストアを志望しました。
大学の先輩に「忙しいけど、やりがいがあって楽しいよ」と聞いたことも理由の一つです。
薬科大学を卒業して勤務したのは、新宿を中心に複数店舗を展開している調剤併設型の中規模薬局チェーンです。
自分自身、中学生の頃からニキビがひどく新宿の皮膚科に中学3年生から通い始めました。その病院の近くにあったのがこの中規模薬局チェーンで、いつもここで薬を処方してもらっていました。
何年も通ううちに薬剤師さんたちとも顔なじみになったため、自分も薬学部に通っていることを伝えると「うちに就職したらどうですか?」と薦められ、この勤務先を選びました。
入社後の研修は充実。仕事内容の基本は調剤だった
—ドラッグストア薬剤師の仕事内容や勤務形態について詳しく教えて下さい。
Aさん:
正社員で採用され、入社式の翌日から一週間の研修がありました。
研修内容は接遇から始まり、病態について、それに見合うOTC医薬品の選び方、PB商品とNB商品の違いなどでした。
また、製薬メーカーの工場見学や模擬調剤室での調剤研修も組み込まれていました。
調剤業務メインの店舗で4年半ほど働き、その後1年半は調剤併設大型店舗で働きました。
異動後の調剤併設大型店舗では、処方せんが来る平日の18時頃までの時間帯は調剤業務が主で、それ以降はOTC・物品販売、品出しなどをしていました。
土日祝日は処方せんが少ないため、ほぼ調剤室には入らず、OTC・物品販売、商品の前出し、掃除などをこなしていました。
嬉しかったのは、おすすめした商品をお客様がリピート購入してくれたこと
—ドラッグストア薬剤師には、接客スキル、OTC医薬品の知識など、調剤以外の能力が色々と求められそうですね。やりがいはどんな時に感じましたか?
Aさん:
私がおすすめしたサプリメントを、お客様にリピート購入していただいた時が一番印象に残っています。
一瓶数千円と高価だったのですが「あのサプリメント始めてから、調子いいからまた買っていくわ」と継続でご購入いただけてとても嬉しかったです。嬉し泣きしそうなくらいでした。
自分も使っていたため、具体的なエピソードを話すと共感を得られ、少々高額でも試していただけたようです。実際に効果も実感していただけたので、リピート購入につながったのではないかと思います。
大型店舗での大量の品出し、知識のない商品への質問対応は苦労した
—お客様とコミュニケーションをとれるのはうれしいですね。反対に、大変だと感じたり、悩んだりしたエピソードがあれば教えて下さい。
Aさん:
突然ドラッグストアの旗艦店のような大型店舗に移った時に、毎日大量の商品の品出しには苦労しました。
どこに商品を置けばいいのかも分かりません。早上がりのときは商品の場所を覚えるために、退勤後お店の中をウロウロしていたくらいです。
また、おむつ、消臭剤、ペットフードや防虫剤などの商品知識が全くなかったため、お客様からどれがいいかと質問されても答えられず、悔しい思いをしたことも多々あります。
ドラッグストア薬剤師の仕事で身に付いたのは2つの知識とスキル
—確かに、お客様から見ればDS薬剤師も「店員さん」ですから、薬以外の商品についてもかなり勉強が必要になりそうですね。これらの経験から身につけたことはありますか?
Aさん:
まずOTC医薬品の知識です。
他のスタッフに負けないようにと、異動後はOTC医薬品についてかなり勉強しました。そのおかげで、調剤薬局で働いている今でも、その知識が活きることは多々あります。
お客様とのコミュニケーションスキルも磨かれましたね。
ドラッグストアで働く薬剤師にとって重要なスキルは、病院に行く時間のない方からいかに症状を聞き出し、それに見合う薬を提案することができるかがです。
最初は迷いながらの提案で、お客様も心配そうな顔をしていたときもありました。
しかし慣れてくるにつれて、「このお客様にはこのOTC医薬品をお勧めするべきだな。プラスで栄養剤も足してご紹介したら更にいいかも」と、落ち着いて考えられるようになりました。
調剤薬局より、ドラッグストアの薬剤師手当のほうが高い!?
—それは素晴らしいですね。やりがいと同時にお給料も気になるところです。ドラッグストアはお給料が良いと聞いたことがありますが…。
Aさん:
はい。確かに給与面では、調剤薬局よりもドラッグストアの方がいいと思います。
私の場合は、初任給30万円強だったと思います(マイナビ薬剤師によると2015年4月実績で324,000円)。源泉徴収票を見ると、既に3年目で年収500万円越えでしたので、調剤薬局より一割ほど高いのではないでしょうか。
ドラッグストアの特徴は薬剤師手当が高いことです。同じ年に薬剤師になった友人は、他のドラッグストアで薬剤師手当だけで10万円という話でした。
通常の調剤薬局ではこうはいきませんよね。
ドラッグストア薬剤師のキャリアは ”管理薬剤師→店長” の順で昇進
—ドラッグストアでは薬剤師は引っ張りだこのようですね。ドラッグストアで薬剤師がキャリア積む場合、どのようなキャリアが考えられるのでしょうか。
Aさん:
各店、管理薬剤師と店長がいました。
多くのドラッグストアのキャリアとしては薬剤師の場合「管理薬剤師を経験したら店長になる」という順番で昇進していくことになると思います。
それぞれの役職で管理薬剤師研修、店長研修などがあります。
その上はエリアマネージャーになり、数店舗のマネジメントを担う役職があります。
役職につくと役職手当も加算されるため、一般薬剤師の時より、やりがいを感じられるかもしれませんね。
ドラッグストアに向いているのは “好奇心旺盛で活気のある人”
—最後にドラッグストアへの就職を目指す薬剤師へのアドバイスをお願いします。
Aさん:
ドラッグストア薬剤師の求人は多いほうだと思います。
休日や夜間など、未だに「薬剤師不在のため、要指導医薬品・第一類医薬品は販売できません」という札を見かけます。そうした曜日や時間帯は特に引っ張りだこかもしれませんね。
しかし、夜遅くまで営業している店舗も多く、体力勝負の部分もあります。
また、OTC医薬品などを始めとした様々な商品を扱っているため、商品知識を身に付けるまでは大変だと思います。
一方で商品知識を身に付け、接客スキルを磨けば、色々なお客様に合わせ対応することができる面白さもあります。
各企業、研修や勉強会には力を入れているので、学べる知識やスキルについては大差はないのではないでしょうか。
それよりも、自分にいちばん合いそうな雰囲気の企業を選ぶべきだと思います。いいな!と思う企業があれば、まずは実店舗を見にいくとよいと思いますよ。
ドラッグストアに向いている人としては、接客業が好きな方やコミュニケーション能力が高い方は勿論のこと、いろいろな質問に答えることができる幅広い知識を持つ方が挙げられると思います。
好奇心旺盛で、積極的な性格の方が向いているでしょう。
向いてない人というのは難しいですが、アドリブが利かないとやっていけないかもしれません。
しかしそれも徐々に慣れてくると思いますし、これはドラッグストアだけでなく調剤薬局で働くことに関してもいえることです。
強いて言えば、活気のない方はドラッグストア向きではないかなと思います。
調剤薬局であまり元気すぎても、体調の悪い患者様によっては嫌がる方もいらっしゃるので、人によって声のトーンを抑えたり、もちろん耳の遠い患者様には大きな声で話されたりと工夫していらっしゃると思います。
その点、ドラッグストアは比較的健康なお客様が多いので、元気に挨拶をして顔を覚えてもらうことがポイントとなるでしょう。
ドラッグストア勤務経験のある薬剤師が選ぶ 魅力的な求人 (2016年6月29日現在)
—ではここで、都内の薬剤師求人のなかから、魅力的と思えるドラッグストア求人をAさんに選んでいただきます!
新宿区【年収700万円が目指せる調剤併設型ドラッグストア】
関東・東海・中部に904店舗展開している大手ドラッグストアの求人です。
中途入社でも、経験者・未経験者向けの「調剤研修」「OTC研修」を受講することができますし、資格取得支援も行っています。
新宿御苑前駅より徒歩3分、「土日休み」で調剤を専門として働くこともできる、など好条件が揃っています。
おわりに
医療費削減のために、国は医療用医薬品からOTC医薬品へのスイッチを推奨しています。
この動きはこれからも加速していき、調剤薬局はかなり厳しい状況に追い込まれると予想しています。
今後はOTC医薬品やサプリメントに強いドラッグストア薬剤師の方が給与や待遇面では軍配が上がるようになるかもしれません。
これから転職を検討されている薬剤師の方は、ぜひドラッグストアも候補に加えてみてはいかがでしょうか。
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