治験に関わる薬剤師の仕事（CRA,CRC）について

治験に関わる薬剤師はどんな仕事をするのか

CRAとCRCは、薬事法上の承認を得るために必要な臨床試験である治験に関わる仕事です。

CRAとCRCの主な業務内容について

◆ CRA (臨床開発モニター)・・・治験を依頼する製薬企業をサポートする仕事

• 治験の進行
• モニタリング
• 治験の検証・確認
• 報告書の作成や記録の保存 など

治験の契約から治験が進行している際のモニタリング、また治験が終了するまで一連の流れに関わります。

CRAの仕事で一番重要となるモニタリング訪問では、治験が適切に行われているか検証、確認します。

治験終了後の有害事象の報告書の作成や治験記録が適切に保存されているかなどを確認するのもCRAの仕事のひとつです。

◆ CRC (治験コーディネーター)・・・治験を行う病院側のサポートする仕事

• 被験者のスケジュール管理
• データ収集
• 相談窓口 など

病院で医師、薬剤師、看護師などの医療関係者と協力し、治験が適切に行われるようにコーディネートします。

医師の指導のもと、治験に参加する患者さん（被験者）のスケジュール管理、検査値などのデータが正しく取れるように病院スタッフをサポートします。

また、患者さんの相談窓口になるのもCRCの仕事のひとつです。

CRA・CRCのキャリアアップの道

仕事で成果を上げることによって、ある特定の分野の新薬に特化したCRA、CRCになるケースや会社の運営に関わるなどのキャリアアップの道があります。

治験に関わる仕事をするメリット

• 新しい薬の開発に関わることができる。
• 長期休暇が取りやすい。
• キャリアアップの選択肢が多い。
• 成果に応じてお給料がアップする場合が多い。
• 英語と薬剤師の資格の両方を活かせる職場である（CRA）。

治験に関わる仕事をするデメリット

• 他の薬剤師の職種と比較すると、初任給が低い場合が多い。
• 治験を行っている病院が遠方にあることも多いため、移動が多く出張もある。
• 残業などもあり、不規則な生活になりがち。
• 新薬の開発に関わるため新しく勉強しなければならないことが多い。
• いろんな場所に出向いて、様々な人と接するため、人付き合いが苦手な人には辛い環境である。

治験に関わる仕事はどんな人が向いているのか

治験に関わる仕事はフットワークが軽く、協調性のある人に向いている職種です。さらに、医療関係者から治験の進行状況を聞き出すためのヒアリング力も必要とされます。

また、医師や看護師などの医療関係者、患者さん（被験者）、製薬会社など様々な人とコミュニケーションを取り、仕事を進めなければなりません。仕事をスムーズに進めるためにも、コミュニケーション能力が高い人材が望まれます。

CRAとCRCは薬剤師の職種にしては珍しく、出張が多い職種なので、頻繁にある出張も苦にならない行動力のある人に向いている職種です。

またCRAでは、英語ができると国際共同治験に携われる可能性があります。英語を話せることでお給料アップが期待でき、仕事の幅も広がるでしょう。

治験に関わる仕事に転職する方法

治験に関わる仕事に転職するには、転職サイトに登録し、求人を探す方法が一般的です。

CRAやCRCになるために、薬剤師の資格は必要不可欠ではありませんが、医療知識が必要とされるため多くの薬剤師がCRAやCRCとして働いてその知識を活かしています。

給料体系や福利厚生、社風は会社によって異なるため、応募の前に充分に比較検討することをお勧めします。

CRAやCRCの初任給は実務経験により大きく違う場合が多く、成果主義で給料が変動する給料体系をとっている会社も多くあります。またCRA、CRCの認定資格を取得すると、月1～3万円程度の資格手当が支給されるケースもあります。