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膵炎についての代表的な治療薬・作用
膵臓には主に3つの働きがあります。
1.消化酵素を含む膵液を十二指腸に分泌すること。
2.胃酸を中和するのに必要な大量の重炭酸ナトリウムを十二指腸に分泌すること。
3.血流中の血糖値を調節するホルモンのインスリンとグルカゴンを分泌すること。
上記のように膵臓は、主に消化酵素の分泌と血糖値を調節するホルモンの分泌を担う大事な消化器官になります。
膵臓が炎症を起こしている状態を膵炎と言います。
膵臓が分泌するこれらの消化酵素が、何らかの原因によって膵臓自身を消化してしまい、更に併発して過剰に免疫抗体反応が起こり、自己を攻撃して炎症と障害を引き起こしている病状が急性膵炎です。
軽症で済む場合もありますが、多臓器不全で死に至るケースもありますので注意が必要です。
急性膵炎の原因としてはアルコールによるものが最も多く、次に胆石、それに原因不明の特発性が続きます。
重症型の急性膵炎では、血液と膵液が腹腔に流れこみ、全身の血液流量を減少させて血圧低下が起こるので、ショック状態に陥り死亡する場合もあります。
慢性膵炎は長期間続く膵臓の炎症で、膵臓に回復不能な変性を起こします。
更に膵臓癌へと移行する場合もあります。
◆膵炎についての代表的な薬と作用◆
■酵素阻害薬
膵液に含まれる消化酵素により膵臓自体が傷ついてしまうので、その消化酵素の働きを阻害して炎症を防ぎます。
■鎮痛・鎮痙薬
激しい痛みに対して、レペタンなどの強力なオピオイド鎮痛薬を用います。
オピオイド鎮痛薬はオピオイド受容体に作用する最も強い鎮痛薬です。
■消化薬(一般)
膵炎に伴う機能障害で膵液が分泌しなければ、食物を分解・吸収出来ません。
その消化酵素の働きを補うための薬です。
■胃酸抑制薬
胃酸の働きを抑える事により、消化酵素薬の働きを助けます。
結果的に膵臓の働きを休めて、回復に向かわせます。
■その他
ビソルボンは、膵液の粘度を低下させて、膵液の流れを良くします。
成分栄養剤のエレンタールは、絶食状態から普通食へのつなぎで、その期間、膵臓を休ませて回復に向かわせます。
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