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認知症のケア
厚生労働省では、認知症のことを以下のように定義しています。
「いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)」
現在、認知症患者の割合(※1)は65~69歳で1.5%、70~74歳で3.6%、85歳以上は27.3%と4人に1人となっています。また、認知症の患者数は2005年に約205万人でしたが、2035年には約445万人に達するだろうと予想されています。
よく物忘れがひどくなると「認知症では?」と思われがちが、加齢による物忘れと認知症による物忘れには大きな違いがあります。例えば加齢による物忘れの場合、食事をしたことは覚えているけど何を食べたかが思い出せないのですが、認知症の場合、食べたこと自体を覚えていないといった症状です。つまり、認知症の物忘れはご本人も自覚がないため、「また忘れたの?」「ボケたんじゃないの?」などと周りから言われることで自尊心が傷ついてしまいます。
こうした認知症の治療には、主に「薬物療法」「非薬物療法」「介護(ケア)」の3つになります。
薬物療法では、認知症機能障害に対する治療として主にアセチルコリネステラーゼ阻害薬が用いられ、行動・心理症状(BPSD)には抑肝散や漢方薬の抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬などが用いられます。
非薬物療法としては、主にリハビリテーションを行うことで脳を活性化し生活能力を維持・向上させます。
介護による認知症ケアでは、ご家族や介護者たちが中心となり、ケアの質によっては認知症の進行を遅らせることもできるほど重要です。認知症ケアの基本は、まず認知症という病気をきちんと理解することから始まります。
その上で以下の2つのケアを中心に、気分転換を図ってあげたり、寄り添って歩いてあげたり、一緒に食事を作るなど共に行動してあげることが大切です。
1. 見守りと観察
患者さんの生活に支障がないよう、目で確認できる範囲で行動を観察し現状把握することで、周辺症状が現れる時間帯や原因、環境などが見えてきます。また、こうした情報はケア提供者間で共有することが大切です。
2. 健康管理
身体の変調や不具合を言葉にしにくいため、健康管理は細やかな配慮が必要となります。特に水分摂取量が減ってしまうと、薬の副作用で身体に異常をきたす場合もあります。食事や水分の摂取、排泄の状況、顔色や皮膚の状態などを観察し、異常があればすぐに医療チームと連携をとることが重要です。
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