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簡易懸濁法について
最終更新日:2013年4月13日
薬剤師の主な業務のひとつに、医療機関や福祉関連施設での服薬指導があります。
その一環から生まれた簡易懸濁法についてお話したいと思います。
経管栄養チューブを介して投薬する場合、処方箋に「つぶし」と記載されている場合があります。この「つぶし」処方箋を受け取った薬剤師は、可能であれば錠剤をつぶしたりカプセルを開封して調剤しています。
簡易懸濁法とは
簡易懸濁法は「つぶし」の処方であっても錠剤をつぶしたりカプセルを開封したりしないで、投与時に錠剤・カプセル剤をそのまま水に入れて崩壊・懸濁させる方法です。
カプセルを溶解させるために、水の温度は約55℃とします。
通常カプセルは37℃前後(人の体温ですね)で10分間で溶けると日本薬局方に規定されています。しかし、37℃に保つ事は困難らしく、10分放置しても37℃以下にならない温度という事で55℃が採用されています。
簡易懸濁法のメリット
- 経管投薬時にチューブを閉塞しない
- 薬品が疎水性でそのままでは懸濁しない場合でも可能
- 錠剤粉砕・カプセル開封時と比して配合変化の可能性が減少したり投与可能医薬品が増加する
など
簡易懸濁法のデメリット
- 確実に崩壊懸濁させるために投与までに時間がかかる
- それにより汚染度が増す
- 崩壊時間が長くなると、薬の効き目そのものにも影響が出てくる
など
このように患者の一日も早い健康回復とQOLの維持のために、よりよい服薬方法を開発・提案していく事も薬剤師の重要な役割であり、簡易懸濁法はその成果のひとつと言えます。
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