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【書評】薬局店頭で患者さんによく聞かれる9割の症状のアプローチ方法を学べる!
これからの少子高齢化で、軽症患者さんへのセルフケア・セルフメディケーションが進んでいくのは自然な流れ。そして、その主役は患者さん自身です。
そのサポートの場として薬局で薬剤師や登録販売者が患者支援を行う意義は大きくなっていきます。
目次
セルフメディケーションのサポート役になるために必読の本
ところで、薬局やドラッグストアでお客様(患者さん)に症状について質問された際に、
- 対応した後に「これでよかったのか?」と後悔してしまう…
- 「何かあったら大変なので、病院にかかってください」と言うしかできない…
こんな風に困ったことはありませんか?
そんな薬剤師のアナタに紹介する本はコチラ!
岸田 直樹 (著)
総合診療医である岸田先生が、明日からでも実践できるよう、薬局店頭でよく聞かれる質問について対応法を実践的かつ体系的そして視覚的にまとめています。
臨床推論と呼ばれるこのアプローチ方法は、薬局のみならず在宅医療の現場でも活きることでしょう。
本書のまえがきでは、セルフケアの必要性が解説されています。
2014年度の日本の医療費は40兆円を超え、少子高齢化で働く人は減りつつも医療費はこれからも増えていきます。そのため、限られた税金の効率的な配分が今までよりもさらに必要になってきます。
つまり、セルフケア・セルフメディケーションの普及が医療費の効率化の鍵となるということですね。
患者さんのセルフケアの支援を薬局で行うことで、医師は重い疾患の患者さんの治療に今より集中できるようになります。
今後のことを考え、少しずつでもセルフケア・セルフメディケーションの普及を少しずつでも実践していきたいものですね。
本書は、現在薬局やドラッグストアに勤務している薬剤師だけでなく、これから転職しようとしている薬剤師さんも、セルフメディケーションのサポート役となるためにまさに必読の本といえます。
それでは、本書の紹介をしていきましょう。
実際の薬局薬剤師からの調査結果に基づいた症状の解説がわかりやすい!
この本では、薬局で質問される症状に関する相談の多くを占める
「かぜ様症状」「痛み」「消化器症状」「めまい・倦怠感」に絞って患者さんから聞き取るべきポイントを実際の薬局店頭での会話形式で提示しています。
- かぜ様症状
- 痛み
- 消化器症状
- めまい・倦怠感
この4つのSTEPに分かれ、それぞれの症状について小さな項目に分かれています。
そして、それぞれ症状について、
- 学習するねらい
- 会話形式による症例紹介
- 解説
- 最初の症例は解説に基づくとどう変わるのか
- OTC選びのポイント
という流れになっており、各項目の最後でフローチャート形式で対応の流れがまとまっています。
症例ごとに少ないページ数で書かれていますので、忙しい業務の日々でも毎日ひとつの症例を読み進めることが容易にできます。
また、抑えるべきポイントが図表になっていてわかりやすいので、業務中に調べ直すことも簡単にできそうです。
そんな本書の中で、薬剤師としてためになる!と感じた箇所を3つピックアップして紹介していきます。
現役薬剤師が選ぶ!本書のためになるポイント3つ
1. 日常的な『かぜ症状』に対する質問にキメ細かに対応できる
そもそも「かぜ」と言われる疾患ですが、その定義は人によって様々です。
患者さんが「かぜ」と訴えた場合でも、どんな症状がいつからどの程度出現しているのか具体的に確認する必要があります。もしかしたらかぜではない、別の疾患かもしれません。
本書には、かぜの三大症状「はな」「せき」「のど」の症状がいつから、どの程度出現しているのによってどう対応すればいいのか書いてあります。
また、かぜに関して患者さんから聞かれる素朴な疑問とその答えが一問一答形式で書いてあります。これにより、日常的なかぜ症状に対する質問に対応することができそうです。
この一問一答集は、今まで薬局のカウンターで質問された内容を思い返してみても患者さんやご家族の状況にあわせてきめ細やかに対応できると感じました。
2. 症状を効率よくもれなく聞くためのコツとして便利な『OPQRSTシート』
本書では頭痛、腹痛、腰痛などの痛みや倦怠感についてのチェックシートが用意されています。
医師が症状を把握して診断をするときにも臨床推論の思考法であるOPQRSTを使います。
OPQRSTって何?気になりませんか?それは本書のなかに答えがあります!
OPQRSTの概念を持って接すれば短い時間で対応できるので、つらくて相談している患者さんを怒らせることなく密度の濃い情報収集ができると感じました。
3. 会話の中でレッドフラッグサインを見極め、それを患者さんへ伝える技術
患者さんから症状を聞く際、ここだけは聞き逃してはいけないのが重篤な疾患を疑う兆候をレッドフラッグサインと呼びます。この徴候があれば、患者さんを適切な医療機関に紹介する必要があります。
本書ではそれぞれの症状についてチェックポイントを羅列しています。
さらに、患者さんへの会話の切り出し方の例も書かれています。というのも、レッドフラッグサインが出て疑われる疾患について、患者さん自身は想定していないことが多く、ご自身の症状を早く治したいと思うあまり、患者さんは自分が聞きたいことだけを矢継ぎ早に尋ねる傾向にあります。
その会話の中に想定していないことがらを入れ込むのですから、話の腰を折ったと思わせないように自然に会話にする技術が要りますよね。患者さんを落ち着かせつつ一緒に治療方法をつくりあげる姿勢が大切です。
そういったことが会話の中でどう切り出せばいいのか書いてあるので非常に助かりますね。
本書から得られる 薬剤師の仕事に活かせるヒント
薬剤師も ”臨床推論” の考え方を身につけよう
医師が薬剤師に対して期待している面と薬剤師の至らない点を提示しているように感じました。
まだまだ的確な症状の見極めができていない、それならば自分が全て診断したほうがいいと思っている医師もいることでしょう。
しかし、薬剤師に期待しているからこそ、この本に書いてある臨床推論の考え方を身につけて欲しいと考えているのかなと思います。
的確な受診勧奨ができるようになれば、医師の負担も軽くなり、薬剤師を見る目が変わるのではないでしょうか。
どの本も読んで終わりになることはありませんが、とりわけ本書は読んで終わりにならないような、活用方法のヒントがたくさんちりばめてありました。
本書の活用方法まとめ
- 本書に掲載されている主な市販薬の成分一覧表をもとに自分のお店の商品の一覧表を作ってみる
- 取り扱っている市販薬の特徴を学び、さまざまなお客様の症状や状況に合わせた商品選びの参考にする
- 受診勧奨の際に、お客様から聞き取った症状を書き留めたOPQRSTシートを作り、受診の際に医師にそれを見せるよう指導する
- 近隣の医療機関の応需科目、診療時間、専門を調べておき、レッドフラッグサインを掴んだ時にスムーズに医療機関を紹介できるようにしておく
ここに書いた以外にも、皆さんの職場や地域にああった多くの活用方法があると思います。
どんどん活用して、地域の健康増進になくてはならない薬剤師になりましょう!
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