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まだ間に合う!?薬剤師の研究職と研究関連の職種

研究といえば、北里大学の大村智先生がノーベル賞を受賞したことは記憶に新しいですね。

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『世の中を変えることができる』

これが、研究職の魅力ではないでしょうか。
薬剤師であれば誰でも一度は夢見たことがあると思います。

今回は、研究職をいくつかの特徴に分解することで、一見、研究職とは程遠いと思われる職種にも研究の要素が含まれていることを、『薬剤師の研究職』と題してエピソードを交えながら紹介します。

 

そもそも薬剤師の研究職では、どんな研究をしているのでしょうか。

薬剤師の研究職とは?

まず、研究の過程を分解してみよう

『研究する』とは、一体どういう試みを示す言葉でしょうか?
恐らく多くの薬剤師は、卒業研究を思い出すはずです。

卒業研究も間違いなく『研究』ですが、本来、『研究する』とは、
新しい物や知見を生み出すための試み全般を表します。

研究の過程は、以下の4点に分解できます。

  1. 認識(課題を認識すること)
  2. 企画(課題を解決するために企画すること)
  3. 構築(新旧のデータから説得力のある理論や物を構築すること)
  4. 伝達(それを伝えること)

このように分解してみると、すべてを満たす職種は限られますが、いくつかの要素を含む薬剤師の研究職フィールドは、一般的な認識以上に広がっているのです。

 

それでは、薬剤師の研究職薬剤師にもできるこれらの研究要素をいくつか満たす仕事を具体的に挙げていきたいと思います。

主な薬剤師の研究職

大学の教員

まずは、大学の教員ですね。
最近では、臨床系の実務家教員の枠も募集されています。

大学の教員が最も特徴的な研究職のイメージであると思いますが、最近では教育のウェイトが大きく、思うほど研究に時間がとれないようです。

企業の研究部門

次に、企業の研究部門が思い浮かびます。

一言で企業と言っても、製薬だけでなく、化粧品、食品、バイオテクノロジー関連と幅広い業種で活躍しています。

また、基礎研究から商品開発まで多種多様なテーマを扱い、様々なバックグラウンドを持った研究者が必要とされています。

 

薬剤師にもできる!いくつかの研究要素を満たす仕事

さらに、研究の過程を分解して、そのうちのいくつかの要素を満たすということであれば、臨床開発や、メディカルライティングなども薬剤師の研究職として注目できるのです。

臨床開発

臨床開発は、製品のヒトに対する効果や副作用を解析する部門ですね。

ここでのデータをもとに当局に申請を行い、販売戦略を決定するわけですから、研究過程の企画と構築の要素を満たす職種と考えることができます。

メディカルライティング

メディカルライティングは、製品が世の中に出た後、患者さんや医療関係者に対して、その製品の特長を理解してもらう役割を担います。

これは、研究過程の構築と伝達の要素を含んでいます。

 

それでは薬剤師の研究職のメリット・デメリットを考えてみましょう。

薬剤師の研究職 メリット・デメリットは?

メリット

研究職にあって、他の職種に少ないもの。
それはズバリ、世の中を変えることができる可能性です。

クリエイティブとも言い換えることができます。

デメリット

そんな研究職ですが、取り巻く状況は楽観的ではありません。

拘束時間が長いですし、任期制により安定的な職を得られない場合も多いのです。
さらに、社会的な意義の割には給料が高くありません

労働環境をふまえて給料を比較すると、保険薬局の薬剤師よりも少ないかもしれません。

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デメリットは、どんな職種にでもあるものです…

 

研究職についた 薬剤師Tさんのエピソード

ここで、研究職ならではのエピソードを紹介します。

薬剤師のTさんは、日本の大学でがんの研究をしていました。
そして、大きな発見を契機にアメリカの大学で研究をすることになります。
そのアメリカの研究室で実験をしていると、「この論文を書いたのはあなたですか?」と、知らない人に握手を求められたと言うのです。

『自分の研究が他の国でも知られている』

彼は、これが研究職の醍醐味だと話してくれました。

 

では、どんな性格が研究職に向いているのでしょうか?

研究職はどんな人に向いているの?

これは非常に単純で、『研究が好きな人』です。

研究職のデメリットでも述べたように、研究とは決して楽ではありませんし、またそれに相応する収入でもありません。しかし、最後まで諦めなければ思いを実現できるのです。

そして、そこまでたどり着くためには、純粋に好きであることが大切です。

スキルとしては、科学的思考力・英語・プレゼンテーションスキルが要求されますが、どれも、必死に取り組んでいれば誰もが身に着けられるものです。

臨床開発に従事している薬剤師のKさんによると、職業柄、医師と話をすることが多くなるわけですが、そういう時、他剤の話で医師と意気投合することもあると言います。

何事にも興味を持ち幅広い知識を備えることが、スキルとして重要かもしれません。

 

薬剤師が研究職につくには?

研究職に特別な資格は必要ありませんが、博士課程を修了して博士の学位を得ると、研究者としてのスタートラインに立ったと認められます。これは、世界共通の認識です。

従って、もし大学のポジションや企業の研究職を望むなら、博士の学位を取っておいたほうが良いと思います。

また、薬学部の教員募集では、薬剤師の資格を有することが条件となっている応募が見受けられます。

 

しかしながら、臨床開発やメディカルライティング職といった、研究職の要素を一部含む研究的な職種であれば、学歴で制限されることはないでしょう

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現在、薬剤師として活躍されている方にも十分に転職できる可能性があります。

 

それでは最後に、薬剤師としての知識が活かせ、研究に近いオススメの職種3つと求人例を詳しく見ていくことにしましょう。

研究に近い!薬剤師にオススメの職種3つと実際の求人例

薬剤師の転職サイトには、薬剤師としてのこれまでの経験や知識を活かせる多様な求人があります。
ここでは、研究に近い3つの職種とオススメ求人情報をピックアップしてご紹介します。

【臨床開発 関連職】をオススメする理由

一つ目は、臨床開発 関連職です。

ここまで読み進めてみても、
「臨床開発って研究ではないのでは?」
と思う方も多いのではないでしょうか。

確かに、実験を行っているイメージとはかけ離れていますが、実は、研究というのは実験する時間よりも、実験のデザインを頭で考えている時間が長いのです。

そして、臨床開発 関連職は、実験こそしませんが、目的とするデータを得るための治験をデザインすることや、その結果の解釈を通じて、薬の性質を明らかにしていく仕事です。

ということは、とても研究的な職種であると考えることもできるのです。

薬剤師として臨床経験があることが業務を進めるにあたって利点になるという話も聞きます。

 

それでは実際の求人情報を見てみましょう。

【臨床開発 関連職】の実際の求人情報

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こちらの求人の勤務先は東京都 新宿区となっています。年収は350~800万円です。

※参照:薬キャリ

 

【メディカルライティング職】をオススメする理由

二つ目として、メディカルライティング職を提案します。

研究の結果、新たな知見が生まれてきます。
ところが、どんなに素晴らしい発見でも生まれただけでは誰も認めてくれません。

つまり、相手に納得してもらうために伝達するというプロセスが必要なのです。
これが、論文やプレゼンテーションということになります。

すなわち、『書くこと』です。

メディカルライティングも同様に、医療関係者に製品の内容を分かりやすく伝えることが仕事になります。

そのために、製品と医療関係者を十分に理解して、戦略の策定と表現方法を模索していきます。
この試みは、とても研究の過程に近いものです。

 

それでは、こちらも実際の求人情報を見てみましょう。

【メディカルライティング職】の実際の求人情報

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勤務先は東京都 文京区となっています。年収は400万円~です。

※参照:薬キャリ

 

【医薬品部門のマーケティングリサーチャー職】をオススメする理由

最後に、医薬品部門のマーケティングリサーチャー職を紹介します。

これは、まさに研究職そのものです。
そして、薬剤師の経験が大いに活かせる職種です。

医薬品のマーケティングでは、医師が対象となる分野の薬について、実臨床でどのような問題点を感じているのかがポイントになります。

そして、その最も近くにいるのが薬剤師ですよね。

例えば、神経障害性疼痛の治療薬のマーケッティングを行うとします。

その際に、重篤な副作用が報告されたりすると、医師の処方行動が変わる恐れがあるわけです。
現場の薬剤師であれば、こんな状況を日常的に経験していると思います。

このようにデータからでは解析できない現場の感覚をマーケティングに反映することで、存在感を示すことができるはずです。

 

実際の求人情報を見てみましょう。

【医薬品部門のマーケティングリサーチャー職】の実際の求人情報

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こちらの求人の勤務先は東京都 港区となっています。年収は400~600万円です。

※参照:薬キャリ

 

実務教員などの大学のポジションを探している方には、以下のサイトが有用です。

イノベーション創出を担う研究人材のためのキャリア支援ポータルサイト

 

薬剤師の研究職にはどんなキャリアアップが待っているか?

薬剤師職と研究職の違いは、このキャリアアップにあるかもしれません。

薬剤師は、年齢とともに組織の種類や大きさにより異なりますが、専門性を構築しながら薬剤師の長を目指すルートが一般的だと思います。

研究職は、社長や大学の理事といった一つの部門に留まらないポジションまで上り詰めることが可能です。

どちらが良いという訳ではなく、自分がどちらを目指していきたいかということですね。

 

おわりに

薬剤師の研究職には、研究の過程を4つの要素に分解して考えるとき、その内のいくつかの要素を満たす研究的な職種が存在することが、お分かりいただけたと思います。

研究には興味があるけど、これから転職するのは無理だと諦めているのであれば、ぜひ、いくつかの研究要素を満たす職種にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

研究のプロセスは、非常に辛いことの連続ですが、成し遂げた時の充実感は格別です。
必ずや、あなたの人生を満たしてくれるはずですよ!

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現役薬剤師・エリコ

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