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抗うつ剤について
抗うつ剤とは、ご存知のように「うつ病」に対して使用する薬です。三環系抗うつ剤・四環系抗うつ剤・SSRI・SNRIなど、色々な種類があります。
服薬するときの注意点なども多く、眠気や、胃腸障害、抗コリン作用、飲み合わせなど沢山あります。
ただ、個人的に強く感じるのは、代表的な抗うつ剤のパロキセチンを飲んでいる患者さんでも症状が様々ということです。
降圧剤を服薬している患者さんのように「収縮期血圧が170mmHgあったのが130mmHgまで下がりましたね!」というような効果の判断が簡単な物ではなく、抗うつ剤を飲んでいる患者さんは症状も原因も環境も様々です。
こうした患者さんに対して、薬の飲み方を説明して正しく服薬してもらうことは難しいと思います。
しかし、この辺に今後の薬剤師の課題が隠れている気がします。添付文書の内容を伝える基本的な服薬指導だけでは、お互いが相手の気持ちがわからないので、相手の気持ちになった服薬指導を身につけるためには、抗うつ剤を勉強するということは大切なことだと思います。
例えば、うつ病の方が、薬を飲みたいかというと多くの患者さんは飲みたくないと思います。
その気持ちを少しでもわかって服薬指導するのと機械的な服薬指導をするのとでは、相手に与える印象が違います。「パロキセチンを夕食後に1回1錠飲んで下さい。飲みはじめは、吐き気が出ることがあるので注意して下さい。」という指導では、薬を飲みたくないかもしれません。
しかし、「薬を飲むことは辛いことだと思いますが、今の辛い気持ちを少し軽くするために飲んでみませんか。1日1回夕食後の薬です。飲みはじめは吐き気が出ることがあるかもしれませんが、通常は長くは続きません。ただ、心配なときは気軽に相談して下さい。」と伝えた方が少し安心する気がします。
抗うつ剤をはじめ、抗精神病薬というのは本を読んで勉強はしても、実際の患者さんと話をすることは難しいと思います。しかし、今後は増えてくる病気だと思うので避けて通ることも難しいと思います。相手の不安なことなどを聞き出すコミュニケーション能力が必要になってきています。
ただ、注意しなければいけないのが、医師と患者さんの関係を崩さないようにすること。
医師の説明と薬剤師の説明が違うと患者さんは不安になるばかりでなく、信頼関係も崩れてしまうかもしれません。まずは相手の気持ちを知ることが大切なのかもしれませんね。
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