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  4. 臓器別悪性腫瘍についての代表的な治療薬・作用

臓器別悪性腫瘍についての代表的な治療薬・作用

腫瘍とは、「生体構成組織の自律性をもった過剰の増殖」と定義されるもので、良性と悪性とがあります。良性腫瘍とは、基本的に、身体の他の部分に浸潤や転移はせずに、肥大化も見られないものをそう呼んでいます。それに対して悪性腫瘍の場合は、細胞がコントロールを失って無制限に増殖するようになったものです。

悪性腫瘍とは、一般的に癌や悪性新生物とも呼ばれています。
通常、正常な細胞は、全体の細胞数をほぼ一定に保つために、分裂・増殖をしすぎないような制御機構が働いて、生体の秩序が守られています。
しかし、悪性腫瘍の場合には、無秩序に分裂を繰り返し、更に周りの正常な組織との間に浸潤的に増殖していき、他の細胞の栄養素も奪うので、急速に体力が消耗していきます。
その結果、他の正常組織を機能不全に陥れます。そのままにしておくと、多臓器不全や肝性昏睡が起きて死亡してしまいます。
肝性昏睡が起きるのは、肝臓での解毒処理能力が低下して、体中に毒素が蔓延してしまうからです。その前に出来る限り肝臓機能の回復を行い、毒素を排出し、栄養吸収を高めなければなりません。

悪性腫瘍は、その発生組織から大きく上皮性と非上皮性とに分類されます。
上皮組織由来の悪性腫瘍については癌腫、あるいは狭義の「がん」という用語が用いられ、主に皮膚や消化管(食道、胃、大腸など)粘膜などが含まれます。
非上皮組織由来の悪性腫瘍については、肉腫という用語が用いられています。
骨や平滑筋の悪性腫瘍なら骨肉腫、平滑筋肉腫と呼びます。
癌腫と肉腫を総称して、広義の「がん」という用語が用いられています。

悪性腫瘍は、ほぼ全身に発生し、各臓器に転移します。
がんは細胞の代謝異常と共に進行する疾患ですから、細胞の代謝が正常になれば理論的に、がんは消滅するといわれています。

◆臓器別悪性腫瘍についての代表的な薬と作用◆

■アルキル化薬
アルキル化剤がDNAの複製とRNAへの転写を阻害し、腫瘍の増殖も防ぎます。

■白金化合物
DNAの二重らせん構造に結合してDNA複製を阻害し、がん細胞を自滅させます。

■代謝拮抗薬
がん細胞が増殖するのを阻害して分裂を中断させ、死滅させます。

■トポイソメラーゼ阻害薬
DNAのねじれをほどく働きを阻害して、DNA合成を中断させて、がん細胞を死滅させます。

■微小管阻害薬
微小管の働きを阻害して、がん細胞の分裂を妨害します。

■抗生物質
がん細胞のDNAに結合して分離出来ないようにして、更に、 酵素を抑止してRNA合成を阻害します。

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