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  4. 眼に関する疾患についての代表的な治療薬・作用

眼に関する疾患についての代表的な治療薬・作用

眼は眼球と視神経、更に眼球付属器から成り立っています。
眼球付属器とは、目に関する組織のうち、眼球と視神経以外をいいます。
具体的には、「まぶた、まゆ毛、まつ毛、結膜、外眼筋、涙腺」などです。
眼球付属器は、外部の衝撃や危険から眼球を保護してくれます。

眼球は眼窩(がんか)という骨のくぼみの中に収まっていて、成人の眼球では直径24ミリほどの球体型をしており、外側の壁と中身とに分けられています。

眼は、入ってくる光の量や、距離に応じて焦点を合わせ、その情報をリアルタイムで脳に伝えています。
実は、「物を見る」と言うことは、物にあたって反射された光を見ている現象です。
ですから、いくら何かを見たとしても、光も無く暗闇なら何も見えません。
それと、光と眼の間に障害物が無い状態であることも大切です。
例えば霧がかかっていたり、汚れたガラス越しなどの場合には、対象物をはっきり見ることが出来ません。物に反射した光が、そのまま眼に達すると、その光は角膜で内側に屈折され、眼房水を通って水晶体に届きます。
そして、水晶体で屈折されて、更に硝子体を通過して網膜の表面にピントのあった倒立像が結ばれます。
これを正しい立体像として認識させるのが脳の働きです。対象物を3次元の立体として見る事が出来るのは、眼から送られて来た情報を脳が正しく判断してくれるからです。

物凄く複雑で精密な眼ですから、眼の疾患も様々です。
眼の症状には、視力の異常や、眼の外観の変化や、眼の感覚の変化などがあります。
眼に、これらの症状が出た場合には、眼そのものに原因があるだけではなく、眼以外の病気が原因の場合もあります。

特に脳の疾患などによるケースがかなりあります。
また、逆に、体の様々な器官に影響を与える病気の症状が、結果として眼に出ることもあります。
眼に何らかの症状が出た場合には、かかりつけの医師の診察を受ける必要があります。
しかし、多くの眼の病気は初期症状がほとんどありませんので、眼科医による定期的な検査を年に1回以上は受けたほうが賢明です。

◆眼についての代表的な薬と作用◆

■カルシウム拮抗薬
血管内に沈着するカルシウムを減らし、網膜の血流を改善します。

■グルタチオン
不溶性蛋白を抑え、水晶体の透明性を保ち、白内障の進行を遅らます。

■コンドロイチン
目の表面を保護し、目の乾燥を防ぎます。

■ステロイド薬
炎症症状の強い場合には、ステロイド点眼薬が使われます。

■ヒアルロン酸
潤いを与え、ドライアイを改善します。

■ピノレキシン
水晶体を曇らせる蛋白変性を抑えて、白内障の進行を遅らせます。

■ビタミン剤
栄養補給で機能改善を果たします。点眼液のほか眼軟膏や飲み薬もあります。

■プロスタマイド誘導体
眼圧下降に関わるプロスタマイド受容体に作用し、房水流出量を増加させ、緑内障を改善します。

■ムチン産生促進薬
ムチン産生促進作用をもつドライアイ治療薬です。

■暗順応改善薬
夜盲症など、視野や暗順応を改善する為の飲み薬です。

■血管強化、止血薬
血管壁を強化して出血を防ぎます。眼底出血時に内服します。

■血管収縮薬
結膜(白目)に出血した時に血管を収縮させて止血します。

■抗アレルギー薬
アレルギー症状を起こす体内物質”ヒスタミン”を強く抑えるのが特徴です。
花粉が飛びだす2週間位前から点眼を始めると効果的です。

■抗炎症薬
目の炎症を鎮める働きがあります。

■抗菌薬
細菌感染による眼瞼炎、ものもらい、結膜炎、角膜炎などの治療用目薬です。

■抗真菌薬
真菌に有効で、角膜真菌症の治療用目薬です。

■抗ヘルペスウイルス薬
ヘルペスウイルスによる角膜炎の治療に用います。

■散瞳薬(点眼)
開放隅角緑内障に用います。房水の流出を促進して眼圧を下げます

■人工涙液
涙の成分に近い目薬です。涙が不足しているドライアイに用います。

■循環障害の薬
網膜の血管を広げて血流を改善し、眼底出血や、網膜静脈閉塞などを治療します。

■炭酸脱水酵素阻害薬
緑内障の治療に用いる飲み薬で、房水の産生を抑えて眼圧を下げます。

■調節機能改善薬
目の調節機能を改善し、仮性近視などを治療します。

■免疫抑制薬
症状が重く、他の抗アレルギー薬が効果不十分な場合に適用します。

■流涙症治療薬
涙目を治す目薬で、涙の量を少なくする作用があります。

■α遮断薬
房水の流出を促進して眼圧を下げ、緑内障を治療します。

■α・β遮断薬
α遮断作用による房水流出促進作用と、β遮断作用による房水産生抑制作用を合わせ持つ目薬です。

■β遮断薬
目のなかの水分「房水(ぼうすい)」の産生を抑えて眼圧を下げ、緑内障を治療します。

■CAI
CAIこと炭酸脱水酵素阻害薬は、房水の産生を抑えて眼圧を下げ、緑内障を治療します。

■CAI・β遮断薬配合剤
炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)と、β遮断薬が配合されていて、房水産生抑制作用をもちます。

■PG系
プロスタグランジン系の点眼薬です。房水の流出を促進して眼圧を下げ、緑内障を治療します。

■PG系・β遮断薬配合剤
PG系誘導体とβ遮断薬の配合点眼剤です。房水流出促進と、房水産生抑制によって、眼圧下降させます。

■P2Y2受容体作動薬
結膜上皮のP2Y2受容体に作用し、涙を構成している水分や粘液成分のムチンの分泌を増やし、角膜炎などを治癒します。

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