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セルフメディケーションを支援する薬剤師
医療保険が整備されている日本では、自己負担が少ないため諸外国に比して国民一人あたりの受診回数が多いと言われています。現在医療費の総額は30兆円を超えており、今後も増大する事が懸念されています。
そのために、WHOを中心にセルフメディケーションが提唱されています。
その基本概念は、自分の身体の健康状態を常にチェックし、軽度な身体の不調は自分で手当する事です。また、生活習慣病の予防や体調不良の改善のための自己管理もこれに含まれます。
セルフメディケーションにおける薬剤師の役割
医薬品という面からみれば、それはOTC医薬品の使用とほぼ同義になります。OTC医薬品を使用する事が生活習慣病などの予防や発症の遅延につながります。そして、発症率を低下させる事によって医療費を抑制する効果があると言われています。薬剤師はこのOTC医薬品の専門家として期待されています。
この際、2つの要素があると言われています。ひとつが「自分の身体を知り、大切にするセルフケア」。もうひとつが「セルフケアの限界を見極めること」。
OTC医薬品を求めて相談に訪れる顧客は、自分のケガや病気について医師の治療を受けていない場合がほとんどです。そのため多くの場合、薬剤師が最初に相談を受ける専門家となります。従って、販売する前にこの患者にはOTC医薬品の使用が適切か否かを見極める必要があります。
使用が不適切と判断された場合は、速やかに医療機関へ受診する事を勧めなければなりません。その場合、医療機関の受診が必要な理由、OTC医薬品がダメである理由などを、わかりやすく丁寧に説明する必要があります。
また使用すると判断した場合でも、医薬品の選択とともに情報提供や事後のモニタリングが求められます。
ある病気に対し、その原因・症状・影響・治療・予想される予後に対して持つイメージを「解釈モデル」と呼びます。薬剤師のセルフメディケーションにおいては、この解釈モデルが患者との間でできるだけ一致する事がのぞましいと言われています。
セルフメディケーションが一般的になる時代には、医師よりも薬剤師の方が患者と接する機会が多くなるかもしれませんね。
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